子どもが苦手なこととの向き合い方30選

教育・知育

子どもが苦手なことに直面したときに泣いたり逃げたりするのは、甘えや努力不足ではなく、失敗への恐れや心の準備状態が関係しています。無理強いをせず、段階的に小さな成功体験を積ませることが、挑戦する気持ちを育てる土台になります。

本記事では、苦手なことへの向き合い方の基本的な考え方、子どもが苦手なことに直面したときの心理、子どもが苦手なことを嫌がる原因、家庭でできるサポート、挑戦を促すスモールステップの組み方、学校や専門家との連携という6つの観点から、子どもが苦手なことと向き合うための具体的な方法を紹介します。

6つの観点で向き合う

まずは記事全体の見取り図として、6つの観点を一覧にまとめます。

観点主な視点
向き合い方の基本心の準備状態と長期的な視点
子どもの心理恐れや葛藤の背景
嫌がる原因認知特性や環境の要因
家庭でのサポート声かけと感情の受け止め方
スモールステップ課題の分解と振り返り
周囲との連携学校や専門家との協力

子どもが苦手なこととの向き合い方とは(5選)

子どもが苦手なことに直面したとき、どのように向き合わせるべきか悩む保護者は多いものです。向き合い方の基本的な考え方を整理します。

苦手を乗り越える心のエネルギー

苦手なことに向き合うには、自分ならできると信じられる心の準備状態が必要です。ある状況において必要な行動をうまく遂行できると自分の可能性を認知していることは、自己効力感と呼ばれます。心理学の研究では、この自己効力感が強いほど実際にその行動を遂行できる傾向が高まり、達成に向けた努力を続けやすくなることが整理されています。苦手なことに直面した際、この自己効力感をどの程度持てているかが、挑戦への一歩を踏み出すための重要な要素になります。

(出典:九州産業大学リポジトリ|自己効力感研究の現状と今後の可能性)

無理強いと免除の適切な境界線

力ずくでやらせることも、最初からすべて免除することも、子どもの主体的で健やかな自立を妨げてしまう場合があります。苦手なことから逃げようとする子どもに対し、親は無理にやらせて克服させるべきか、苦痛から守るために免除すべきかの判断に迷いやすいものです。一方的な強制はできない自分への嫌悪感を強めて自己肯定感を下げ、無条件の免除は壁を乗り越える成功体験の機会を奪ってしまいます。適切な境界線は、苦手そのものを消し去ることではなく、子ども自身が困難を自分でも少しコントロールできそうだと感じられるよう、支援の度合いを段階的に調整していくことにあります。

保護者が持つべき長期的な視点

目先の苦手を今すぐ克服させることにとらわれず、長い時間をかけて回復する力を育む視点が大切です。子どもが苦手なことへの嫌悪感を示すとき、親は今すぐできるようにさせなければ将来困ると焦りやすいものです。しかし、困難にしなやかに適応し回復していく力は生涯を通じて固定的ではなく、各発達段階で経験する課題を通じて緩やかに変化していくものです。一度の失敗や一時的な遅れに過剰に反応せず、今はまだ成長と回復の過程にいると親自身が穏やかに構え、長期的に子どもに寄り添う姿勢を持つことが重要になります。

日常のつまずきを予防する意義

苦手意識から生じる自信の喪失や意欲の低下といった二次的な問題を早期に防ぐ必要があります。学校生活や家庭での日常的なつまずきをそのうちできるようになるだろうと放置したり、不適切な対応を続けたりすると、単にその活動が苦手という問題にとどまらなくなります。自分は何をやってもだめだという自信の低下や、あらゆることへの学習意欲の減退など、深刻な不適応へと発展してしまう可能性があります。早い段階でつまずきのサインに気づき、適切な予防的アプローチを行うことが大切です。

他者との比較をやめる大切さ

周囲の子どもと我が子を比べるのをやめ、その子自身の過去からの成長に焦点を当てることが大切です。子どもが特定の物事に対して強い苦手意識や恐れを抱く要因の一つに、周囲と自分を比べる社会的な比較があります。集団の中で自分だけがうまくできない、周りの子はできていると感じることは、子どもの心を大きく傷つけます。保護者が行うべきなのは、他者との比較ではなく、以前の我が子と比べて少しでもできるようになったことや、工夫して取り組んだ過程に注目して言葉にすることです。

子どもが苦手なことに直面したときの心理(5選)

苦手なことや失敗を前にした子どもが、なぜ泣いたり怒ったり逃げ出したりするのか、その内面で生じている心理と葛藤を解き明かします。

間違いや失敗を恐れるプレッシャー

子どもは間違えることを自分の価値が否定されることと捉え、完璧でなければならないという強い恐れを感じています。苦手な活動を前にした子どもが取り組もうとしないのは、単なる怠けではなく、失敗して恥ずかしい思いをするかもしれない、間違えて親や先生から叱られるのではないかという強いプレッシャーに怯えているためです。この失敗への強い恐れは、確実に正解できる見通しが立たない限り、課題に挑戦すること自体を止めてしまう大きな要因になります。

わからないことを隠したがる葛藤

苦手なことほど周囲に助けを求められず、恥ずかしさから一人で抱え込んでしまう場合があります。悩みを他者に相談することは、問題解決の点でも心の健康の点でも重要であるとされていますが、援助を求める行動そのものにためらいを感じる子どもは少なくありません。相談することへのためらいが強いと、実行された支援の機会が減り、その結果として心の負担が積み重なりやすくなることが研究で示されています。この葛藤が、わからないことを放置させ、さらに苦手を深刻化させる悪循環を生みます。

(出典:日本カウンセリング学会|カウンセリング研究)

自己肯定感の低下がもたらす無気力

失敗体験の繰り返しは、何をしても無駄だという無気力な状態を引き起こし、気力を奪います。苦手な活動に立ち向かっては失敗する経験を繰り返すと、子どもは自己肯定感を大きく損ないます。これが続くと、自分はどんなに努力しても無駄だ、どうせできないという感覚が心に定着してしまいます。この状態に陥ると、難易度の低い簡単な課題にすら挑戦する気力が失われ、活動の面白さや達成感を実感することが難しくなってしまいます。

不快感情を怒りや逃避で表す仕組み

泣き叫ぶ、怒り出す、無視するなどの行動は、耐えがたい混乱から心を守るための反応です。嫌だ、できないと大泣きしたり、鉛筆を投げ出したり、部屋に閉じこもって頑なに無視を決め込んだりする行動は、大人の目にはわがままに見えます。しかし、これは苦手な対象を突きつけられたことによる強い不安や精神的な混乱から、自分の心を守るための反応です。子どもは自分のストレスや不快感を論理的な言葉で説明できないため、こうした行動や身体の不調としてSOSを表現するしかありません。

挑戦から逃げることで守る自尊心

あえて最初から取り組まないという選択をすることで、自尊心を守ろうとしている場合があります。子どもがやらないと激しく抵抗するのは、やってみて失敗したときの決定的なショックを避けるための心理的な選択でもあります。真剣にやらなかったからできなかっただけと言い訳できる余地を残すことで、自分の能力の低さに直面することを避け、傷つきやすい自尊心をなんとか保とうとしているのです。親がこの繊細な自尊心の防衛に気づけないと、やりなさいとやらないのやり取りが続いてしまいます。

子どもが苦手なことを嫌がる原因(5選)

子どもが苦手なことを嫌がるのには、わがままや怠けではなく、脳の認知機能の特徴や周囲の環境設定など、明確な原因が隠されています。

認知特性や脳の処理のばらつき

耳からの情報や目からの情報など、得意な情報の受け取り方のばらつきが苦手の原因になっている場合があります。子どもが特定の課題に著しい困難を示す背景には、認知機能のばらつきが存在することがあります。例えば、耳で聞いた言語的な情報の短期的な処理は比較的得意であっても、写真や絵、図形などの視覚的な刺激を瞬時に処理する力が苦手な場合があります。こうした本人の認知特性に合わない方法でやり方を説明され続けると、処理が追いつかず、強い苦手意識と拒否感を抱く結果になります。

行動の抑制を司る脳の働きの弱さ

感情をコントロールして嫌なことにも向き合う抑制の力が、まだ発達の途上段階にあります。人が目的に沿って思考や行動を整理する際には、脳の実行機能が必要とされます。実行機能の中でも、優勢な反応を意図的にコントロールして抑える力は抑制と呼ばれ、更新やシフトと並ぶ実行機能の重要な要素として整理されています。この抑制機能の発達が未成熟な子どもは、苦手な刺激を目にした瞬間に嫌だと叫ぶ衝動や怒りの感情を制御できず、そのまま感情に支配された行動を取ってしまいます。

(出典:日本心理学会|心理学研究)

学校や家庭での不適切な対応

周囲からのなぜできないのという詰問や、焦らせるプレッシャーが、苦手意識をさらに強めてしまいます。子どもが困難を抱えて困っているとき、教師や親などの周囲の大人がそれに気づけなかったり、もっと練習すればできる、甘えているといった対応を取ったりすることは、学校生活における不適応を引き起こします。本人の特性に合わない反復練習や一方的な指導は、活動に対する嫌悪感を高め、大人は自分のつらさを分かってくれないという不信感につながり、苦手への拒絶反応をさらに悪化させます。

心身の疲労とストレスの蓄積

日常の慢性的なストレスや疲労により、苦手なことに立ち向かう心のゆとりが枯渇している場合があります。子どもが苦手なことに対して過度に敏感な反応を示すときは、単にその課題が嫌いなだけでなく、日常的な心理社会的ストレスが積み重なり、心身が慢性的な疲労状態にある可能性を考えてみることが大切です。実際に、思春期の子どもを対象とした介入プログラムの実証研究では、ストレスへの対処法を身につけることが心の回復力を高めるうえで有用であることが確かめられています。効果的なストレス対処法が不足していると、苦手な活動を提示されたときに耐える心の余力が働きにくくなります。

(出典:厚生労働科学研究成果データベース|思春期レジリエンス向上に有用な介入プログラムの大規模実証研究)

成功の見通しが立たない不安

いつ終わるのか、どこまでやれば正解なのかという見通しが立たない活動は、子どもにとって不安の大きい対象になります。これをやってもどうせ失敗する、自分には最後までやりきる力がないと感じる活動は、子どもにとって暗闇を歩かされるような不安を伴います。活動の全容やステップが不透明なままでは、不安が恐れを呼び、結果として最初の準備段階で頑なに拒否することになります。

子どもが苦手なことと向き合う家庭でのサポート(5選)

家庭は、子どもが失敗を恐れずにリラックスして過ごせる大切な場所です。保護者が家庭内で実践できる寄り添い方と声かけを解説します。

安心できる社会的環境づくり

親が子どものありのままを受け止め、失敗してもあなたの価値は変わらないという安心感を与えることが大切です。子どもが失敗を恐れることなく主体的に苦手なことに挑戦できるようになるための土台は、家庭が安心できる環境であると感じられることです。子どもが間違ったことを言ったり失敗したりしても、親がからかったり責めたりせず、ありのままを認めてくれるという受け止めがあれば、対人関係への不安が和らぎます。この安心感があって初めて、子どもは難しい問題や課題にも主体的に挑戦することができるようになります。

結果ではなくプロセスをほめる声かけ

できたかできないかの結果ではなく、やろうとした意志や取り組みの過程を具体的に見つけてほめることが大切です。百点だったからすごい、走るのが速くて偉いという結果だけの評価は、子どもを失敗すれば認められないという思いに追い込みます。そうではなく、苦手なのに机の前に座ろうとした姿勢や、最後まで諦めずに書いた努力など、結果に至る過程を親が言葉にして伝えることが大切です。頑張っている姿を見ていたよと伝えられることで、子どもの自己効力感が高まりやすくなります。

感情を受け止める積極的な傾聴

泣き叫ぶ子どもの言い分を遮らずに最後まで聴き、嫌だった気持ちをそのまま言葉にして受け止めます。子どもができないと癇癪を起こしたとき、そんなこと言わずに早くやりなさいと正論で説得したり遮ったりするのは避けたいところです。まずは視線を合わせ、穏やかに相槌を打ちながら、子どもの言い分を最後まで聴くことが大切です。最後までやりたかったけれどわからなくなって悔しかったんだねと、子どもが言葉にできない感情を言い換えて確認してあげることで、子どもは自分の話を大事に受け止めてもらえたと感じ、興奮を落ち着かせやすくなります。

子どもの自発的な自己理解のサポート

子ども自身が自分の強みや、これをすると元気になるという回復のきっかけを認識できるよう手助けします。苦手なことに向き合って気力を失っている子どもは、自分の良いところを見失っていることがあります。家庭内でリラックスしているときに自分の良いところや過去にうまくいったことを一緒に確認する時間を作ります。また、つらいときや嫌なことがあったときに自分の感情を落ち着かせられる、好きなおもちゃやお気に入りの本、安心できる場所などを一緒に確認し整理しておくことで、苦手なことに直面したときの立ち直る力を子ども自身が自覚しやすくなります。

保護者自身の気持ちの整え方

親がイライラした焦りや失望を見せず、穏やかな気持ちを保つことが、子どもにとって大きな安心感になります。子どもが泣き叫び拒否する姿に、親自身の心がすり減り、感情的になってしまうのはよくあることです。しかし、親の焦りやイライラは子どもに伝わりやすく、さらなる混乱を引き起こします。親自身が今日中にできなくても大丈夫、この子のペースで育てばいいとゆったり構え、イライラしそうなときはまず深呼吸をして自分の気持ちを整えることが、子どもに対する大きな支えになります。

子どもが苦手なことへ挑戦を促すスモールステップ(5選)

とにかくやりなさいと促すだけでは挫折してしまいます。子どもがこれなら自分にもできそうと小さな成功体験を積むための、具体的なステップの設定方法を紹介します。

課題を極小のパーツに分解する工夫

課題をいくつかの小さな段階に分け、最初のハードルを大きく下げてスタートします。苦手な物事に対して、子どもは高すぎる壁のように感じて圧倒されています。そのため、課題を小さく分けて、絶対に失敗しない難易度から始めることが重要です。例えば、文字を書くのが苦手なら最初の一画をなぞるだけ、動作を伴う課題であればまずはゆっくり見て真似をするだけといったように、段階的に難易度や刺激を増やしていきます。これにより、無理なく取り組みやすくなり、達成する経験を積むことができます。

振り返りと自己評価のルール化

課題の実施前後に、もっとうまくやるための注意点を一緒に考え、終わった後に自己評価をします。ステップを進める際には、ただやらせるだけでなく振り返りの過程を取り入れると効果が高まりやすくなります。まず課題に取り組む前に、今回はどんなことに意識してやってみると、より良く遂行するための注意点を子どもと一緒に考えます。そして課題を終えた後に、意識した注意点はどうだったと確認し、できた過程を具体的にフィードバックして子ども自身に振り返らせます。この習慣が、次回の改善への見通しを明確にし、自分で状況をコントロールする感覚を育てます。

他者の成功を観察する経験

自分と似た年齢や状況の友達が、失敗を乗り越えて成功する姿をじっくり観察させます。自己効力感を育む方法の一つに、他者が何かを達成する行為を観察するという方法があります。特に自分と同じように最初はこれが苦手だった友達や、失敗しても諦めずに工夫してクリアしていく仲間の姿を観察させることは、大きな説得力を持ちます。あの子も最初は泣いちゃったけど、こうやったらできたんだねと声をかけることで、自分にもできるかもしれないという感覚を無理なく引き出すことができます。

他者との関わりを通した強みの発掘

一人で内省するだけでなく、他者からの評価や集団での活動を通じて、自分の新しい可能性に気づかせます。困難を乗り越える力を育む過程には、個人の中で進めるものと、他者との間で進められていくものがあります。自らの得意なことや強みを客観的に認識するためには、自分だけで振り返る時間に加えて、他者からの指摘や反応を得る集団での活動をバランスよく取り入れることが役立ちます。信頼できる家族や友達から、あなたにはこんな良いところがあるよと肯定的に伝えられることで、自分一人では気づけなかった強みへの自覚が促され、自己理解が深まります。

失敗の受け止め方を努力に変えるフィードバック

失敗したのは能力のせいではなく、やり方や準備の工夫が少し足りなかっただけだと伝えます。子どもがやっぱり自分はだめなんだと諦めてしまうのは、失敗の原因を自分の能力が足りないせいだと考えてしまうためです。この状態を避けるためには、失敗の原因をやり方や取り組み方の工夫のほうへ結びつけて伝えることが大切です。あなたの力が足りないんじゃなくて、今回のやり方が少し合わなかっただけだよ、次は違うやり方を試してみようと声をかけることで、子どもは自尊心を保ちながら前向きに再挑戦する意欲を持ちやすくなります。

子どもが苦手なこととの向き合い方を支える周囲の連携(5選)

子どもの苦手や混乱を家庭内だけで抱え込むのには限界があります。学校や専門家、習い事の指導者など、周囲と手を取り合って子どもを支える連携方法を提案します。

学校や担任の先生との情報共有

家庭でのつまずきや特性を担任の先生と共有し、学校でも一貫した方針で関わってもらうようにします。家庭と学校で子どもへの関わり方やほめ方、注意の仕方に大きなずれがあると、子どもは混乱し強いストレスを感じます。面談や連絡帳を活用して、家庭で実践しているこのやり方だとうまくいった、こういう声かけだと安心するようだという具体的な様子を、事前に担任の先生へ共有しておくことが役立ちます。学校と家庭が一貫した姿勢で見守ることで、子どもはどちらの環境でも安心して挑戦しやすくなります。

特性に合わせた合理的配慮

無理にみんなと同じ方法や量を求めず、特性に合わせた学び方の工夫を周囲に求めることも選択肢の一つです。文字を書き写すことが極度に苦手な児童や、テストや人前での発表で緊張のあまり混乱してしまうような特性のある子どもに対しては、学校現場でもその子の特性に合わせた配慮が提供されるべきとされています。千葉県教育委員会が取りまとめた事例集では、板書を写真撮影してノート代わりにすることや、テスト時間を延長するといった調整の具体例が示されています。こうした調整を周囲が柔軟に行うことで、過度な緊張が和らぎ、本来の力を発揮しやすくなります。

(出典:千葉県|合理的配慮事例集)

スクールカウンセラーや専門家の活用

親子のやり取りが行き詰まってしまったときは、心の専門家の知恵と客観的な視点を借りることも一つの方法です。苦手なことを前に、親が注意し子どもが泣き叫ぶという家庭内のやり取りが定着し、親子の関係そのものが険悪になってしまったときは、第三者であり心理の専門家であるスクールカウンセラーや専門相談窓口を頼ることが現実的な解決策になります。専門家は、子どもの認知の特徴や心の状態を客観的に評価したうえで、家庭でも試せる具体的なアドバイスや、環境を調整するための考え方を伝えてくれます。

習い事や塾の先生へのアプローチ

習い事や塾の先生にも子どもを受け止める姿勢での指導を依頼し、自信を傷つけない環境を保ちます。スイミングやピアノ、そろばん、あるいは塾の勉強など、習い事の現場で苦手やつまずきに直面したとき、指導者の関わり方は子どもの意欲に大きな影響を与えます。指導者がなぜできないのと注意する高圧的な態度ではなく、子どもの特性に適した課題を用意し、受け止める姿勢で関わることで、子どもの意欲や自己効力感を高めることができます。親としては、指導者にあらかじめ、うちの子はプロセスを具体的に認められると安心して挑戦できるタイプですなどと関わり方を相談しておくことが役立ちます。

子どもに関わる全員でほめる姿勢の統一

親、先生、指導者など、関わるすべての大人でほめるポイントをそろえ、自己効力感を育みやすくします。子どもの自己効力感は、他者からの励ましや言葉による説得、そして何より認められることを通じて育まれます。子どもを取り巻くすべての大人が、結果は気にせず挑戦したこと自体をほめるという姿勢を共有することが、子どもの心を支える大きな安心感になります。多方面から承認を受け取ることで、子どもの自己肯定感は着実に回復していきます。

まとめ

子どもが苦手なことに直面したとき、泣いたり逃げたりするのは、本人の甘えや努力不足ではなく、失敗への恐れや脳の情報処理特性とのずれ、そして自分ならできるという自己効力感の不足が本質的な原因です。

家庭で意識しておきたい点を以下にまとめます。

  • 結果ではなく取り組む過程を具体的にほめる
  • 泣いたり怒ったりする気持ちをまずは最後まで聴く
  • 課題を極小のステップに分けて成功体験を積ませる
  • 学校や専門家、指導者と一貫した方針を共有する

家庭を否定される不安のない安心できる環境として整え、プロセスを具体的にほめて話を聴きながら、課題を小さなステップに分解して取り組むことが、無理強いをせずに挑戦する気持ちを育むアプローチになります。親が一人で抱え込まず、学校や専門家と連携を取りながら、周囲みんなで子どもの歩みを支えていくことが大切です。