防災リュックを準備しておくことで、地震や津波などの災害発生時の迅速かつ適切な避難につながります。玄関付近などの持ち出しやすい位置に準備しておきましょう。
本記事では、必需品を中心に防災リュックの中身38選と、適正重量や詰め方についても紹介します。
一次避難と二次避難の違い
災害時の荷物を整理する際は、避難のタイミングに応じて必要なグッズが異なるため、まずは目的の違いを理解します。
一時避難用の非常用持出袋
非常用持出袋は、火災や家屋倒壊などから直ちに建物外へ避難する場面で、すぐに手に取って持ち出すことを前提としています。中身は、被災直後から救援活動が始まるまでの数日間、個人の命をつなぐための必要最低限かつ軽量な品物にとどめる点がポイントです。成人が救援開始までに必要とする水や食料だけでも相当な重量になるため、思い出の品などは別の場所に保管し、非常持出袋の中身は徒歩避難を妨げない重さに厳選する必要があります。
二次避難用の防災備蓄袋
防災備蓄袋は、一次避難で初期の危険を回避したあと、避難所などで数日間から1週間程度の生活をしのぐための物品を納めるものです。初期の救援活動が始まったあとに使うため、即座に食べる非常食よりも、肌着やスリッパ、歯ブラシといった携帯性の高い日用品、避難所で休むためのアイマスクや耳栓などの睡眠補助具が求められます。多少かさばる衣類や飲料水のタンクも含められますが、足場が悪い道路を徒歩で移動することを考えて、自力で持ち歩ける範囲にとどめる工夫が必要です。
防災リュックの適正重量・詰め方のコツ
どれほど優れたグッズをそろえても、重すぎると避難時の機動性を損なうため、持ち運べる適正重量とパッキングの技術を理解しておきます。
避難行動を妨げない適正重量
非常用持出品は、すぐに取り出せる場所やリュックサックにまとめておくことで、避難時に両手を空けた状態で行動できます。重さの目安は成人男性で15kg、成人女性で10kgとされており、実際に背負って重すぎないかを確認しておくことが大切です。飲料水や食料、救急用品などの必要最小限を備えたうえで、家族構成や個人の体力に合わせて歩ける重さにコントロールすることが、命を守る避難につながります。
(出典:広島県|防災グッズ一覧)
体感を軽くする入れ方
リュックに防災グッズを入れる際は、同じ重量の荷物であっても配置を工夫することで、体感する重さを軽くすることができます。水や缶詰などの重いグッズをリュックの上部かつ背中側に配置し、衣類やレインウェアなどの軽いグッズを下部や外側に詰めることが基本の手順です。重いものが上部にあることで、リュックの重心が体幹に近づき、歩行時や避難時の足腰への負担を抑えながら、前方への推進力を保ちやすくなります。
【命を守る基本グッズ9選】防災リュックの中身
被災直後の暗闇や情報の寸断、がれきの散乱といった過酷な初期環境を生き延び、身の安全を確保するための最優先グッズを紹介します。
懐中電灯
懐中電灯は、地震による停電や夜間の災害発生時に、足元の障害物や周囲の危険を確認しながら身の安全を確保するための光源です。両手を自由に使えるヘッドライトであれば、乳幼児を抱っこしたり高齢者を介助したりする場面でも動きやすくなります。予備の乾電池も忘れずにリュックへ入れ、家族の人数分をすぐ手に取れる場所に配置しておくことが大切です。
予備乾電池
予備乾電池は、懐中電灯やラジオといった機器の電力を維持するための備えです。使用機器の規格に合わないサイズや、長期間放置による液漏れ・自然放電で使えなくなるケースが少なくありません。単3や単4など使用する機器の規格に合わせた予備電池をリュック内にまとめて備え、機器本体からは抜いて乾燥したパックに小分けし、定期的に期限を確かめておく手順が役立ちます。複数の電子機器を備える家庭やオフィスに向いた備えです。
手回し・乾電池式ラジオ
手回し・乾電池式ラジオは、通信インフラが遮断された状況でも公的な避難情報を得るための手段です。スマートフォンの充電切れや基地局障害が起きても、手回し充電や乾電池で動くラジオであれば、気象庁や自治体が発信する情報を受信できます。日頃から周波数の合わせ方を確認し、リュックの取り出しやすい位置に常備しておくとよいでしょう。通信手段の途絶に備えたい会社員や総務担当者に向いています。
ホイッスル・防犯ブザー
ホイッスル・防犯ブザーは、大声を出しにくい状況でも周囲に居場所を伝えるための道具です。建物や家具の下敷きになったとき、大声を出し続けると体力を消耗しやすくなります。吹きやすく高い音が出るホイッスルや、大音量の防犯ブザーをリュックの肩ベルトなど身につけやすい位置に備えておくと、少ない力で救助者にSOSを伝えられます。夜間の避難所内の移動や、防犯面が気になる人にも役立つグッズです。
多機能万能ナイフ
多機能万能ナイフは、缶切りやハサミ、栓抜きなど複数の機能を1本にまとめた道具です。救援物資の梱包解体や、非常食の缶詰の開封、ロープの切断など、刃物や工具が必要な場面で活用できます。手のひらサイズでリュックの容量を圧迫しない一方、日常的に持ち歩くと法律に触れる恐れがあるため、普段はリュックから出さず有事専用として管理しましょう。物資の開封や簡単な作業を自分で行いたい人に向いています。
ヘルメット・防災頭巾
ヘルメット・防災頭巾は、揺れの最中や倒壊した避難ルートを移動する際に頭部を守るための防具です。地震でけがをした人のうち約30%から50%は家具の転倒や落下が原因とされており、避難経路でも頭部の負傷リスクは低くありません。リュックのすぐ近くに配置し、避難開始時にすぐ着用できるようにしておくことが大切です。企業の総務担当者であれば、従業員の人数分をそろえておく必要があります。
(出典:東京消防庁|地震時の危険)
現金の小銭・千円札
現金の小銭・千円札は、停電で電子決済やATMが使えない状況でも物資を購入するための備えです。キャッシュレス決済が主流になっていても、災害停電時は店舗の端末が動かなくなるため、紙幣や硬貨を用意しておくことが確実な手段になります。特に10円玉を複数枚備えておくと、通信障害時に使える公衆電話からの連絡にも役立ちます。デジタル決済に依存した生活を送る人ほど、備えておきたいグッズです。
筆記用具・メモ帳
筆記用具・メモ帳は、通信手段が途絶した環境下でも、伝言や緊急連絡先を確実に伝えるための記録手段です。水濡れでもにじみにくい油性ペンと、防水加工されたメモ帳をポリ袋に入れて備えておくと、避難所の掲示板への伝言や、持病・アレルギーの情報を医療関係者に伝える際に役立ちます。あらかじめ家族の連絡先や集合場所を書き写しておくと、スマートフォンの連絡先が確認できない状況にも備えられます。
モバイルバッテリー
モバイルバッテリーは、安否確認やハザードマップの確認などでスマートフォンを使い続けるための電源です。停電が数日間に及ぶことを考え、スマートフォンを複数回フル充電できる大容量のものをリュックの中身に含めておきます。手回し充電やソーラー発電の機能が付いたものを組み合わせて備えておくと、電池が切れた際にも新しく電気を作ることができます。
【水・食料関連グッズ5選】防災リュックの中身
一次避難用のリュック重量の限界を踏まえ、徒歩移動の負担にならない範囲で体力を支える栄養補給の品目を紹介します。
長期保存水
長期保存水は、脱水や急な体調不良を防ぐために欠かせない飲料水です。断水に備えた飲料水と調理用水の備蓄目安は1人1日3Lとされますが、リュックで持ち運ぶ一次避難用としては、重量制限を考えて500mlのペットボトルを数本など必要最小限に厳選します。自宅に常備する日常備蓄分は、浴槽に水をためる工夫や長期保存型の保存水を組み合わせるとよいでしょう。暑い季節の被災を想定する家庭には、経口補水液もあわせて備えておくと安心です。
非常食
非常食は、熱源が途絶えた避難生活の初期でも、簡単かつ安全に炭水化物を補給できる主食です。お湯や水を注ぐだけで食べられるアルファ化米や、開封してすぐ食べられるパン缶は、軽量で満腹感が得られるうえに長期保存もできます。賞味期限切れを防ぐため、普段の食品を少し多めに買い置きし、古い順に消費して減った分を買い足していくローリングストック法を実践しておくと、日常の中で無理なく備えを更新できるでしょう。避難初期の食事に不安がある家庭に向いています。
高カロリー補給食
高カロリー補給食は、被災初期の徒歩移動や避難所生活の中で、迅速に高エネルギーを補える食品です。アルファ化米を調理する時間や水すら確保しづらい緊迫した場面では、アメやチョコレート、栄養補助食品バーなど、片手で食べられる食品が役立ちます。軽量でコンパクトなため、リュックの外ポケットに入れておくと取り出しやすくなります。移動中の体力低下を防ぎたい人や、子どもを連れて避難する保護者に向いた備えです。
スプーン・フォーク・割り箸
スプーン・フォーク・割り箸は、断水で手が洗えない環境でも清潔に食事を取るための道具です。土やがれきに触れた手で直接食事をすると、感染性胃腸炎などのリスクが高まります。アルファ化米の袋の奥に届く長さのスプーンや、個包装で使い捨てできる割り箸を多めに備えておくと、家族や周囲の人とも分け合えるでしょう。断水下での食事の衛生を保ちたい家庭やオフィスに向いています。
ラップ
ラップは、食器を洗う水を節約できるほか、応急処置や防寒など複数の役割を果たす生活用品です。皿やコップにラップを敷いてから食事を載せれば、食後に捨てるだけで済み、貴重な水を使わずに済みます。ほかにも傷口の保護や、体に巻きつけての防寒、ねじり合わせて紐の代用にするなど、幅広い使い方ができます。限られた道具で多くの場面に対応したい人に向いたグッズです。
【衛生用品・健康用品12選】防災リュックの中身
避難生活における排泄処理や入浴不全、集団生活での感染症といった健康被害から身を守る衛生維持グッズを紹介します。
携帯トイレ
携帯トイレは、断水や配管破損でトイレが使えない場合に、便器にかぶせて使う袋状の道具です。使用回数の目安は1人1日5回とされ、4人家族であれば3日分でおよそ60個の備蓄が推奨されています。便器に袋をかぶせて排泄し、凝固剤で固めてから口をしっかり結び、収集の案内があるまで保管する手順で使用します。断水による衛生リスクを避けたい家庭やオフィスに欠かせないグッズです。
(出典:東京都|もしもの時に困らないトイレの備蓄)
トイレットペーパー
トイレットペーパーは、排泄後の処理だけでなく、汚れ拭きや簡易的なクッション材にも使える基本の生活用品です。かさばりを抑えるため、芯を抜いて潰すか、芯なしタイプのロールを選んでパッキングすると省スペースになります。水濡れで使えなくなることを防ぐため、1ロールずつチャック付きのポリ袋に密閉して収納しておくことが大切です。避難生活の利便性を確保したいすべての人に必要なグッズです。
ドライシャンプー
ドライシャンプーは、水を使わずに頭皮や髪の皮脂・汚れを落とすための衛生用品です。スプレーして揉み込む、あるいはシートで拭くだけで清潔感を保てるため、断水が長引く避難生活に向いています。避難所の共同生活で生じる汗や臭いは大きなストレスになりやすいため、身体拭き用のシートや口腔ケアシートとあわせて備えることが心身の健康維持につながります。長期間シャワーを浴びられない状況を想定する人に向けたグッズです。
ウェットティッシュ
ウェットティッシュは、断水で洗面所が使えない状況における手や周囲の除菌・汚れ拭きに使う生活用品です。食事の前の手指の消毒や、調理道具の拭き取り、避難所での簡易清掃など幅広い場面で活躍します。アルコール高配合タイプの除菌用と、粘膜や傷口にも使えるノンアルコールタイプの2種類を分けて備えておくと、感染性胃腸炎などの予防につながるでしょう。共同生活の衛生管理を重視したい人に向いています。
身体ふきシート
身体ふきシートは、お風呂に入れない期間の汗や皮脂のべたつきをふき取るための衛生用品です。大判で厚手のシートであれば、シャワーを浴びられない日でも全身の汚れを1枚で拭き取ることができます。特に体温調節が難しい高齢者や、皮膚がデリケートな乳幼児のあせもや床ずれを防ぐためにも役立ちます。周囲への臭いが気になる避難所生活を送る人に向けたグッズです。
歯ブラシシート・液体歯磨き
歯ブラシシート・液体歯磨きは、うがいの水を使わずに口腔内を清潔に保つための衛生用品です。災害時はストレスや水分不足で唾液の分泌が減り、口の中の雑菌が増えやすくなります。水なしで使える歯磨きシートや液体歯磨きであれば、コップ一杯の水も惜しい断水生活でも口腔ケアができます。特に高齢者は不衛生な口腔から誤嚥性肺炎につながるリスクがあるため、優先して備えておきたいグッズです。
救急セット
救急セットは、避難中や避難所生活でのけがに対して初期の応急処置を行うための備品です。避難時のパニックやがれきの散乱によって、擦り傷や切り傷、軽いやけどなどのリスクが高まります。絆創膏や包帯、ガーゼ、消毒液、ピンセットなどをコンパクトなケースにまとめておくと、医療体制が整うまでの数日間を自分たちで対応しやすくなるでしょう。小さな子どもがいる家庭や、屋外での作業が多い場面に向いています。
常備薬・お薬手帳のコピー
常備薬・お薬手帳のコピーは、持病の症状悪化を防ぎ、避難先でも正しい薬の処方を受けるための備えです。普段服用している薬は、避難先で同じ成分の薬をすぐに特定するのが難しいため、数日分をリュックに入れて定期的に入れ替えておく必要があります。処方薬の名前やアレルギー情報を記したお薬手帳のコピーを一緒に備えておくと、混乱した状況でも代替の処方を受けやすくなります。持病がある人やその家族に欠かせない備えです。
マスク
マスクは、避難所などの集団生活で発生しやすい粉塵や感染症のリスクを抑えるための衛生用品です。密閉された空間での共同生活は風邪やインフルエンザが広がりやすく、がれきが散乱する場所を歩く際には粉塵の吸入も心配されます。家族の人数分以上を防水パックにまとめて備え、1日に数回交換できるようにしておくことが望まれます。呼吸器のトラブルを避けたいすべての人に向けたグッズです。
生理用品
生理用品は、災害時のストレスなどで周期が乱れやすい女性の体調に対応するための備えです。避難生活の初期は物資の配分が遅れやすく、周囲に要望を伝えにくい品目でもあるため、夜用と昼用を組み合わせて十分な枚数を備えておくことが大切です。生理処理以外にも、出血を伴うけがの止血パッドや、防寒の目的で活用できる場合もあります。避難所での物資調達に不安がある人に向けた備えです。
アルコール消毒液
アルコール消毒液は、手が洗えない断水下でも指先の菌を減らし、接触感染のリスクを抑えるための衛生用品です。食事の前後や排泄処理のあと、多くの人が触れる手すりやドアノブに触れたあとの消毒に役立ちます。手のひらサイズのミニスプレーをリュックの外ポケットに入れておくと、すぐに指先を消毒できます。
爪切り・ハサミ
爪切り・ハサミは、避難生活が長引く中で伸びた爪や、衣類・包帯の調整など細かい作業に役立つ道具です。不衛生な環境で爪が割れると、そこから菌が入り込んで化膿する恐れがあるため、清潔な爪切りを備えておくことが望まれます。ハサミは衣類のタグ切りやガーゼのカット、物資の梱包バンドの切断など、多機能ナイフでは扱いにくい細かな作業に向いています。長期の避難生活を想定する人に役立つ備えです。
【衣類・防寒・雨具関連グッズ7選】防災リュックの中身
雨による濡れや避難所の冷え込みによる体調悪化を防ぎ、体温と体力を維持するための衣料やカッパ類を紹介します。
レインウェア
レインウェアは、雨天時の避難行動で両手を空けた状態を保つための雨具です。傘を差した状態での避難は片手がふさがり、家具の転倒物やがれきが散乱した足場の悪い道路で応急対応が取りにくくなります。レインコートであれば両手をフリーにしたまま移動でき、避難時の安全性を保ちやすくなります。風雨を遮ることで体温の低下も防げるため、雨天時の避難を想定した必需品といえます。
アルミ保温シート
アルミ保温シートは、体温の放射熱を内側に反射して冷えや低体温から身体を守る保温用品です。折りたたむと手のひらサイズになるほど軽量なため、リュックの重量制限を邪魔せず、毛布などを何枚も持ち歩けない一次避難時に適しています。身体に巻きつけるだけで保温性を発揮し、風や雨を通しにくいため、屋外で救援を待つ際の簡易的な覆いとしても使える点が特徴です。冬場や夜間の寒さ対策を、最小限のスペースで済ませたい人に向いています。
着替え
着替えは、雨や汗、がれきのほこりで汚れた衣類を交換し、体調悪化を防ぐための備えです。雨に濡れたり大量の汗をかいたまま冷たい風にさらされたりすると、体温が急激に奪われることがあります。乾きが速くかさばらない下着や靴下の予備、季節に応じた長袖・長ズボンを圧縮袋に入れて備えておくと、リュックの容量を圧迫しにくくなります。濡れた衣類の放置による体調不良を避けたい人に向けた備えです。
作業用軍手・革手袋
作業用軍手・革手袋は、がれきやガラス片といった鋭利な破片から手を守るための道具です。地震後の屋内外には割れたガラスや倒壊物のとがった部分が散乱しているため、素手での避難やがれきの除去は危険を伴います。厚手の軍手や皮手袋をリュックに入れておき、避難開始時にすぐ着用できるようにしておくことが大切です。滑り止め付きのものであれば、階段の手すりやロープをつかむ際にも役立ちます。
防寒用カイロ
防寒用カイロは、冬場や夜間の寒さの中で体を温め、体力や運動能力を保つための道具です。火を使わずに封を開けるだけで熱を得られるため、一次避難用のリュックに複数枚備えておくと安心です。手足を温めるだけでなく、首の後ろや腰などの太い血管が通る部位に貼ると、全身の冷え込みを和らげやすくなります。寒さによる思考力の低下を防ぎたい避難時に役立つグッズです。
折りたたみスリッパ・厚底靴下
折りたたみスリッパ・厚底靴下は、避難所の床から足裏のけがや冷えを防ぐための備えです。避難所となる体育館の床には、地震の揺れで割れたガラスなどが散乱している可能性があり、素足や薄い靴下での歩行は踏み抜きのリスクがあります。底が厚手でゴムが張られたスリッパや、分厚い靴下を備えておくと、避難所内を安全に動き回りやすくなります。冷え性の人や高齢者にも向いた備えです。
タオル
タオルは、汗や雨をふき取るだけでなく、防寒や応急処置にも使える万能の衣料用品です。首に巻けば防寒マフラーになり、頭に巻けば落下物からの保護にも役立ちます。けがの応急処置での圧迫止血や、濡らして口に当てる簡易的な防煙マスクとしても使えるため、複数枚を備えておくと安心です。医療・衛生の両面で臨機応変な対応をしたい人に向いたグッズです。
【避難生活の安心グッズ5選】防災リュックの中身
避難所で過ごす時間において、プライバシーの保護や不便な生活を補い、心と体を守るためのツールを紹介します。
身分証明書のコピー
身分証明書のコピーは、財布や通帳を持ち出せない混乱の中でも、医療支援や行政サービスを受けるための備えです。健康保険証や運転免許証、マイナンバーカードのコピーや、預貯金通帳の口座番号のメモをリュックに入れておくと役立ちます。避難所での本人確認や、急な診察・薬の処方をスムーズに受けるためのお薬手帳のコピーとあわせて備えることで、救援体制が整うまでの数日間の生活再建を支える備えになります。
大型ゴミ袋
大型ゴミ袋は、限られた物資の中で複数の役割に使い回せる万能なグッズです。雨天時の即席の雨具や、避難所の床に敷くシート、濡れた衣類をまとめる袋など、生活用品が不足する中で多くの代用品として活用できます。断水時の給水活動で水を運ぶ袋としての機能や、携帯トイレを使ったあとの汚物を密閉保管する内袋としても使えるため、複数枚を備えておくと安心です。
圧縮袋
圧縮袋は、衣類やタオルなど嵩張る布製品をコンパクトにし、リュックの容量を効率よく使うための道具です。手で押すだけで空気が抜けるタイプであれば、掃除機がなくても衣類の体積を大きく減らすことができます。同時に防水性も備えているため、大雨や浸水を伴う避難経路を移動する際にも、中の衣類を水濡れから守れる点が特徴です。限られた容量で多くの衣類を持ち出したい人に向いています。
アイマスク・耳栓
アイマスク・耳栓は、照明がつき続け人の声が絶えない避難所空間で睡眠の質を保つための道具です。避難所では防犯上の理由から夜間も照明が落とされないことが多く、周囲の物音で眠りが妨げられやすくなります。アイマスクと遮音性の高い耳栓をセットで備えておくと、自分の周囲だけ静かで暗い環境を作りやすくなります。避難生活が長引くほど、体力回復のための睡眠を重視したい人に向いた備えです。
養生テープ
養生テープは、段ボールの組み立てや破損箇所の補修、簡易的なラベル貼りなど幅広く使える生活用品です。避難所で配布される段ボールをつなぎ合わせてプライバシーを保つ簡易の仕切りを作ったり、揺れでひび割れた窓ガラスに貼って飛散を防いだりする使い方ができます。手できれいに切れるタイプを選んでおくと、名前やメッセージを書いたラベルとしても活用できるでしょう。避難所での生活空間を自分で整えたい人に向いています。
防災リュックの中身への追加検討が必要な備品
基本の備えだけでは補いきれない、性別や年齢、世帯構成に応じた個別の追加備品を紹介します。
乳幼児や妊産婦向けの追加備品
乳幼児や妊産婦向けの追加備品は、避難生活で心身への影響が生じやすい母子を守るための必需品です。母子健康手帳のコピーや、おしりふき、スティックタイプの粉ミルクや液体ミルク、アレルギー対応の離乳食、おむつ、使い捨て哺乳瓶などを基本備品にあわせて配分しておきます。洗浄綿やマタニティマークなど、一般の避難セットでは調達しにくい品を個別に追加しておくことが、避難所での物資不足を補う備えになります。
高齢者向けの追加備品
高齢者向けの追加備品は、避難生活における身体機能の低下や、暑さ・寒さによる体調不良を防ぐための備えです。避難生活が続く中で心身の機能が低下しないよう、積極的に体を動かす生活を心がけることも推奨されています。防災リュックには、補聴器用の予備電池、入れ歯洗浄剤、食べやすい柔らかい食事、お薬手帳のコピーなど、日常生活に欠かせない専用の日用品を個別に追加しておく必要があります。
ペット向けの追加備品
ペット向けの追加備品は、ペット同伴避難における命と健康を守るために、飼い主があらかじめ準備しておく必要があるものです。優先度が高い品目として、飲料水やペットフードを5日分以上、療法食、常備薬、予備の首輪やリードを備えます。続いて、ペットの写真やワクチン接種の記録、使い慣れたケージやペットシーツ、排泄物処理用具、食器なども個別にパッキングしておくことが求められます。
防災リュックの中身を定期点検・管理する手順
備蓄品や食品の期限切れ、電池の放電を防ぎ、いつでも機能する状態で防災リュックを維持する点検サイクルを紹介します。
東京備蓄ナビによるシミュレーション
東京備蓄ナビは、家族構成に関する質問に答えるだけで、性別や年代に応じた1週間分の食品や衛生用品、生活用品の品目と必要数量を確認できるツールです。慢性疾患やアレルギー、ベジタリアン向けの食品準備、ペットとの防災対策など、多様な事情に合わせた備蓄の考え方を調べることにも活用できます。点検を始める前に、このツールで家族全員の状況に合わせた品目と数量を確認しておくと、不足物資を洗い出しやすくなります。
(出典:東京都|東京備蓄ナビ)
ローリングストックの維持管理サイクル
防災リュックの中身は、消費期限や電池の使用推奨期限が切れると、いざというときに役立たなくなります。防災の日など年に1回の定期的な確認日を設け、いつでも使える状態に点検・更新することが大切です。普段の食品を少し多めに購入して買い置きし、賞味期限を考えて古いものから順に消費し、消費した分を買い足していくローリングストックを習慣化することが、無理のない管理サイクルにつながります。
まとめ
大規模地震などの災害から自分と家族、従業員の命と健康を守るためには、平時から備える自助の意識が大切です。非常用持出品と非常備蓄品の違いを踏まえ、持ち運び可能な重量に中身を厳選し、すぐ取り出せる場所に配置しておくことが基本になります。さらに、妊産婦や乳幼児、高齢者、ペットなど世帯構成に応じた品目を個別に追加し、東京備蓄ナビなどを活用しながら定期的な点検サイクルを続けることが、いざというときに役立つ備えにつながります。


