外出先や通勤・通学の移動中に地震や交通障害に遭遇したとき、普段のバッグに入れておける防災グッズがあるかどうかで、被災直後の安心感は大きく変わります。自宅用の備蓄とは異なり、持ち歩き用のグッズは重さやかさばりを抑えながら、必要な機能を絞り込むことが大切です。
本記事では、防災ポーチの0次防災として、電源・連絡・SOS、衛生・エチケット、応急・ケア用品、安全・防寒・雨具、非常食・その他という観点から、毎日持ち歩きたい防災グッズ25選を紹介します。
日常的に持ち歩く0次避難防災グッズの選び方と3つの基準
自宅用や避難所用の備蓄とは異なり、外出時の被災に備える0次避難には独自の選び方の基準が役立ちます。
バッグが重くなったりかさばったりするのを防ぎつつ、外出先での突発的な被災に対応するために、次の3つの基準を意識してグッズを選びます。
- 軽量・コンパクト:普段のバッグに入れてもストレスがない重さを目安にする
- マルチユース(多目的):1つのグッズで複数の役割を兼ねられるものを選ぶ
- 即効性:被災直後の最初の数時間を乗り切るために、その場ですぐ使えるものに絞る
【電源・連絡・SOSグッズ5選】防災グッズ持ち歩き
外出時の被災で困りやすいのが通信手段の途絶や救助の要請です。命をつなぐ電源・連絡・SOS対策のグッズを紹介します。
超小型モバイルバッテリー
超小型モバイルバッテリーは、外出時にスマートフォンの電池切れを防ぐためのグッズです。直挿しできるリップスティック型やカード型であれば、通勤・通学バッグの負担になりにくくなります。最低1回はスマートフォンをフル充電できる5000mAh程度の容量を目安にすると、安否確認や情報収集の手段を保ちやすくなるでしょう。日常のバッグの重さを増やしたくない会社員や学生に適しています。
充電用ショートケーブル
充電用ショートケーブルは、ポーチの中で絡まらずに収納スペースを抑えるためのグッズです。15cm程度のショートケーブルや、キーホルダー型のマルチケーブルであれば、余計なスペースを取りません。自分のスマートフォンの端子に適合し、急速充電に対応しているかを事前に確認しておくと安心です。ポーチ内を整理しながら充電環境を軽量に整えたい人に適しています。
ホイッスル
ホイッスルは、少ない息でも大きな音で助けを呼ぶためのグッズです。電車内での閉じ込めや倒壊物の下敷きになった際、大声を出し続けると体力を消耗しやすくなります。プラスチック製で軽量な、高い音が出るレスキュー用のホイッスルを選ぶと、錆びる心配もなく持ち歩けるでしょう。声が出せない状況や体力が落ちた状況で周囲に居場所を知らせたい人に適しています。
小型LEDキーライト
小型LEDキーライトは、夜間の帰宅困難時や停電時に足元を照らすグッズです。スマートフォンのライト機能はバッテリーを消耗しやすいため、非常用の照明は別に持っておくとよいでしょう。重さ10g以下のコイン電池式やUSB充電式のものを、ポーチやバッグのファスナーに取り付けておくと取り出しやすくなります。夜間の停電や暗い場所での移動が多い人に適しています。
防災カード
防災カードは、スマートフォンが使えない状況でも自分の情報を他人に伝えられるグッズです。緊急連絡先や持病、アレルギー、血液型などをまとめたメモを携行しておきます。持病があり薬を常用している場合は、通院先に行けない事態も想定し、処方箋や保険証のコピーを用意しておくべきとされています。意識を失った際の身元確認や、電話番号がわからない事態にも備えたい人に適しています。
(出典:総務省消防庁|非常持出品の準備 防災危機管理eカレッジ)
【衛生・エチケットグッズ6選】防災グッズ持ち歩き
被災直後に深刻化しやすいのがトイレ環境や衛生の問題です。かさばらずに感染症やにおい対策ができるグッズを紹介します。
携帯用簡易トイレ
携帯用簡易トイレは、断水時のトイレ問題から健康と尊厳を守るグッズです。下水処理場などの被害状況が確認できるまでは、水洗トイレの使用を控えて携帯トイレを使うことが求められています。既設の洋式便器が残っている場合は、便座にビニール袋をかぶせて固定し、その上に携帯トイレを付けて使う方法が紹介されています。水分補給を我慢して体調を崩したくない人に適しています。
(出典:内閣府(防災担当)|避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン)
除菌ウェットティッシュ
除菌ウェットティッシュは、水が出ない状況で手指や身の回りの汚れを拭き取るグッズです。避難生活では手洗いや消毒の確保とともに、徹底した衛生管理が必要とされています。アルコール入りのミニサイズを1つ携帯しておくと、水がない場所でも手を清潔にできます。食事前の手洗いや泥汚れの清拭をしたい人に適しています。
(出典:厚生労働省|避難所生活を過ごされる方々の健康管理に関するガイドライン)
携帯用消毒スプレー
携帯用消毒スプレーは、場所を選ばず手指を消毒できるグッズです。ウェットティッシュが使えない場面や、拭いたあとの追加の消毒として役立ちます。ペン型やスプレータイプの小瓶であれば、ポーチの中で場所を取らずに携帯できるでしょう。ドアノブや吊り革に触れる機会が多い人に適しています。
不織布マスク
不織布マスクは、粉塵やウイルスから呼吸器を守るグッズです。被災した現場や避難ルートでは、粉塵やほこり、煙が空気中に充満することがあります。他のグッズと擦れて汚れないよう、個包装のものを2枚から3枚、予備としてポーチの隙間に入れておくと安心です。密集した空間での感染を防ぎたい人に適しています。
ポケットティッシュ
ポケットティッシュは、トイレでの使用や拭き取りに使える紙のグッズです。簡易トイレを使う際や、復旧途中の公衆トイレでトイレットペーパーが不足しているケースがあります。そのまま便器に流せる水に流せるタイプを選んでおくと、トイレ環境が整っていない場面でも困りにくくなるでしょう。日常的にも使い慣れているグッズなので、切らさず携帯したい人に適しています。
ビニール袋・ジッパー付き小袋
ビニール袋・ジッパー付き小袋は、ごみの密閉や濡れ物の仕分けに使える多目的なグッズです。使用済みの簡易トイレや汚れたウェットティッシュを密閉して、においや菌の漏れを防ぎます。ジッパー付きの小袋は、スマートフォンの防水ケース代わりや、常備薬を濡らさず保管する用途にも使えるでしょう。バッグの中を清潔に保ちたい人に適しています。
【応急・ケア用品6選】防災グッズ持ち歩き
怪我の応急処置や体調変化への対応は、日常のセルフケアとしても役立ちます。被災時の体調悪化を防ぐグッズを紹介します。
絆創膏
絆創膏は、擦り傷や靴擦れをすぐに保護するグッズです。被災時の瓦礫や割れたガラスによる小さな傷、長距離歩行による靴擦れに対応できます。伸縮性の高い標準サイズに加え、指先用や大きめサイズなど複数種類を薄く重ねてポーチに収納しておくと、状況に応じて使い分けやすいでしょう。慣れない避難ルートを長距離歩く可能性がある人に適しています。
常備薬・処方薬
常備薬・処方薬は、外出先で薬を切らさないためのグッズです。持病の薬は、病院が一時的に受診できない事態を考え、数日分を遮光・防水の小袋に入れて携帯しておきます。解熱鎮痛剤や胃腸薬、下痢止めなど、ストレスによる体調不良に備えた市販薬も数錠用意しておくと安心です。常用薬がある人や、外出先での急な体調不良が心配な人に適しています。
個包装アルコール綿
個包装アルコール綿は、傷口の周囲を消毒し衛生を保つグッズです。スプレータイプと異なり液漏れの心配がなく、傷口やその周辺をピンポイントで拭き取れます。使う分だけ使い切れる個包装タイプを2枚から3枚携帯しておくと便利です。水で傷口を洗い流せない環境でのけがに備えたい人に適しています。
リップクリーム
リップクリームは、唇だけでなく乾燥した肌の保護にも使えるグッズです。唇の荒れ対策としての日常使いに加え、被災時の乾燥した外気による顔や手のひび割れにも代用できます。ワセリンベースの無香料タイプであれば、多目的に使いやすいでしょう。空調のない環境や乾燥した場所で過ごす可能性がある人に適しています。
液体歯磨き・歯みがきシート
液体歯磨き・歯みがきシートは、水を使わずに口の中を清潔にするグッズです。水を使わず歯や舌を拭き取れる歯みがきシートや、少量を口に含んで吐き出す液体歯磨きの試供品サイズを携帯しておくと役立ちます。水不足の状況でも口の中の不快感を抑え、口臭を防ぎたい人に適しています。
携帯用サニタリー用品
携帯用サニタリー用品は、突然の生理や下着を替えられない環境での不快感を減らすグッズです。避難所ではプライバシーの保護や、生理用品などの女性のニーズへの配慮が求められる一方、初期には物資が不足しやすいとされています。生理用ナプキンやおりものシートを数枚携帯しておくと、下着を清潔に保ちやすくなります。
(出典:内閣府男女共同参画局|災害対応力を強化する女性の視点 避難所チェックシート)
【安全・防寒・雨具4選】防災グッズ持ち歩き
外出先で天候が急変したり、帰宅困難で屋外に長くいたりする場合に、体温や安全を守るグッズを紹介します。
コンパクトアルミシート
コンパクトアルミシートは、手のひらサイズで体温の低下を防ぐグッズです。アルミを蒸着した薄いシートが体温を反射し、急な冷えを防ぎます。折りたたむとスマートフォンの半分以下のサイズになり、重さも軽いため持ち歩きやすいでしょう。敷物や目隠しスクリーンとしても使えるため、冬場の屋外待機が心配な人に適しています。
超軽量折りたたみ傘
超軽量折りたたみ傘は、雨だけでなく強い日差しからも身体を守るグッズです。猛暑時の避難歩行では日傘として使うことで、頭部の温度上昇を抑えられます。カーボン骨などの軽量かつ晴雨兼用のモデルを選んでおくと、毎日バッグに入れても負担になりにくいでしょう。突然の雨や強い日差しに備えたい人に適しています。
薄型レインポンチョ
薄型レインポンチョは、両手を自由にした状態で雨や風から身体を守るグッズです。避難時に傘を差すと片手がふさがり、転倒時に受け身が取りにくくなります。頭から被るだけのポンチョ型であれば、リュックやバッグを背負ったままでも着用できるでしょう。強風の中を移動する可能性がある人に適しています。
薄手の作業用手袋
薄手の作業用手袋は、瓦礫の片付けや手すりを握る際の手のけがを防ぐグッズです。割れたガラスや汚れた場所に直接触れると、けがや感染の原因になります。手のひらに滑り止めが付いた薄手の作業用手袋であれば、スマートフォンの操作ができる製品もあり、持ち歩き用として扱いやすいでしょう。避難路を歩く際に手すりを安全につかみたい人に適しています。
【非常食・その他4選】防災グッズ持ち歩き
小腹が空いたときのエネルギー補給や公衆電話の利用など、緊急時に行動の選択肢を広げるグッズを紹介します。
補給用おやつ
補給用おやつは、被災初期に手軽にカロリーと塩分を補給するグッズです。普段から飲料水やチョコレート、おやつなどの持ち歩き用の食品を備えておくことが役立つとされています。長期保存できるミニ羊羹や塩分タブレットをポーチの隙間に入れておくと、長距離を歩く場面でも体力を保ちやすくなります。
現金
現金は、電子決済やスマートフォンが使えない状況で頼りになるグッズです。大規模停電時はクレジットカードやQRコード決済、ATMが使えなくなります。公衆電話や停電していない自動販売機で使える硬貨を、小銭入れやポーチの底に用意しておくと、飲み物の確保や連絡手段の確保に役立つでしょう。決済のほとんどをスマートフォンに頼っている人に適しています。
コンパクトメモ帳とミニペン
コンパクトメモ帳とミニペンは、充電切れでも情報を残せるグッズです。スマートフォンのメモアプリはバッテリー切れで使えなくなるため、避難場所の伝言板に書き置きを残す際には紙とペンが役立ちます。雨の中でも書ける撥水加工のメモ帳と、キャップ式のコンパクトなボールペンを組み合わせておくと使いやすいでしょう。家族との連絡手段を確保したい人に適しています。
自立型クリアポーチ
自立型クリアポーチは、すべての持ち歩き用グッズをまとめて収納するグッズです。撥水性があり、中身が見える半透明のポーチであれば、必要なものをすぐに見つけられます。マチがあり自立するタイプを選んでおくと、狭い場所や屋外でも片手で取り出しやすいでしょう。バッグを変える際にポーチごと移動させたい人に適しています。
まとめ
0次避難のための持ち歩き用防災ポーチは、被災時だけでなく、普段の外出時に起こりやすいスマートフォンの充電切れや突然の雨、靴擦れ、急な体調不良といった日常のトラブルにも役立ちます。自宅に備蓄を用意していても、外出先で被災すれば手元に何もないという事態になりかねません。今回紹介した25個のグッズを参考に、日々のバッグの中に小さな安心を加えてみてください。


