英語絵本が効果的!選び方・読み方や続けるコツを紹介

教育・知育

絵本英語は0歳からのおうち英語の入り口として取り入れやすく、親子で無理なく英語に親しむことができます。親の発音に自信がなくても、絵本を通じた読み聞かせは子どもの言葉の力を十分に育てられます。

本記事では、英語絵本の読み聞かせの効果、絵本の選び方、英語が苦手な親でもできる読み方の工夫、対話を通じた読み聞かせの方法、共働き世帯が無理なく続けるコツについて紹介します。

家庭で実践する英語絵本読み聞かせの効果

おうち英語の第一歩として英語絵本を取り入れることには、言葉の力や情緒の育ちにおいて複数の利点があります。

  • 絵本の親しみやすさ
  • 場面に即した言葉の理解
  • 絵の助けによる状況の推測
  • 音声とイラストの同時インプット
  • 親子での感動や体験の共有
  • 想像力をはぐくむ物語の体験

絵本の親しみやすさ

乳幼児期から親しんでいる絵本は、英語学習への心理的な抵抗感を下げる効果が期待できます。日本語に翻訳された作品や、日本の物語の英訳版を使うと、抵抗感を抱かずに英語の物語世界に入り込みやすくなると考えられます。

場面に即した言葉の理解

物語の場面設定があることで、言葉が使われる状況を直感的に理解できます。絵本では絵の中に場面が示され、言葉がその場面とともに提示されるため、どのような状況でその表現が使われるのかを自然に捉えられます。

絵の助けによる状況の推測

英語の意味がすべて分からなくても、イラストを手がかりに内容を能動的に想像できます。言葉の意味が曖昧であっても絵が状況を補い、子ども自身がストーリーの内容を推測しながら主体的に聞き進めることが可能になります。

音声とイラストの同時インプット

耳で聞く音声と目で見るイラストが重なることで、言葉の定着が促されます。読み聞かせによる音声と、視覚情報としての絵や文字が一体となって処理されることで、言葉の定着がスムーズに進みやすくなると考えられます。

参考:初期英語教育における絵本の有効活用――児童の自発的反応を引出す読み聞かせの試み――|松本由美(玉川大学リベラルアーツ学部研究紀要 第8号)

親子での感動や体験の共有

読み聞かせを通じた感情の共有が、英語への能動的な興味を育みます。絵本を介して親子でやり取りを行い、物語の楽しさや感動を共有することは、子どもが能動的な姿勢で言葉に親しむうえで効果的です。

想像力をはぐくむ物語の体験

絵本の進行に寄り添うことで、先の展開を予想する柔軟な思考力が養われます。物語の展開に合わせて絵を手がかりにしながら聞き進めることで、言葉の意味を類推したり登場人物の心情を考えたりする力が育ちやすくなります。

おうち英語に最適な英語絵本の選定基準

数ある作品の中から、おうち英語の初期段階で親しみやすく効果を引き出しやすい選書の基準を整理します。下の表は、6つの基準を簡単にまとめたものです。

選書の基準確認するポイント
イラストと言葉の一致絵の意味が一目で分かるか
文の長さ1ページの英語表現が5語程度までか
繰り返しの構造同じ文型が形を変えて繰り返されるか
  • イラストと言葉の明確な一致
  • 物語の場面設定の分かりやすさ
  • 5語以内のシンプルな文
  • リズムや音声的な心地よさ
  • 先の展開を予測できる仕掛け
  • 同じ表現が繰り返される構造

イラストと言葉の明確な一致

描かれている絵が何を表しているのか、一目で分かるシンプルな作品を選びます。絵が示す意味が明確であることは初期の選書基準として大切で、絵を直接的な手がかりに英語の表現を理解できるものが適しています。

物語の場面設定の分かりやすさ

子どもの興味や、日常の出来事に関連した場面設定の絵本を選ぶとよいでしょう。場面設定が分かりやすいものが望ましく、子どもの実生活や関心と関連がある内容だと能動的に理解しようとする姿勢を高めやすくなります。

5語以内のシンプルな文

英語に初めて触れる段階には、1ページの文が短いものが適しています。初期の学習者には、1ページの英語表現が5語程度までの短い文章で構成されている絵本を選ぶことが大切です。

参考:初期英語教育における絵本の有効活用――児童の自発的反応を引出す読み聞かせの試み――|松本由美(玉川大学リベラルアーツ学部研究紀要 第8号)

リズムや音声的な心地よさ

英語独特の響きや心地よい繰り返しを体験できる絵本を選びます。耳に残りやすい語頭の音の重なりや韻を踏んだ表現など、音声的なリズム感に富んだ作品は発音の楽しさを感じるきっかけになります。

参考:初期英語教育における絵本の有効活用――児童の自発的反応を引出す読み聞かせの試み――|松本由美(玉川大学リベラルアーツ学部研究紀要 第8号)

先の展開を予測できる仕掛け

次に何が起こるか予測しやすい展開が、子どものわくわくする気持ちを引き出します。次のページの内容が推測しやすい工夫がされている本は、子どもの期待感を高め、読書を促しやすくなります。

同じ表現が繰り返される構造

同じフレーズが何度も繰り返される構成が、定着と安心感をもたらします。表現の一部だけを変化させながら同様の文構造が繰り返される絵本は、英語表現への抵抗感を大きく減らします。

参考:初期英語教育における絵本の有効活用――児童の自発的反応を引出す読み聞かせの試み――|松本由美(玉川大学リベラルアーツ学部研究紀要 第8号)

英語が苦手な親のための読み聞かせ実践方法

親自身が英語の発音や読み聞かせに自信を持てない場合でも、子どもが喜ぶ具体的な読み方の工夫を整理します。

  • 短いフレーズの事前確認
  • 子どもに寄り添う読みの速度
  • アイコンタクトの実施
  • イラストを指さす読み方
  • 音声教材の積極的な活用

短いフレーズの事前確認

事前に絵本の短い文章を確認しておくことで、自信を持って子どもに語りかけられます。絵本の世界を自分の言葉として子どもに語りかけるためには、事前に内容を簡単に確認しておく準備が効果的です。

参考:初期英語教育における絵本の有効活用――児童の自発的反応を引出す読み聞かせの試み――|松本由美(玉川大学リベラルアーツ学部研究紀要 第8号)

子どもに寄り添う読みの速度

流暢さにこだわらず、子どもの反応を確かめながらゆっくりと読み進めます。まだ発音が十分に発達していない幼少期の子どもの理解度やペースに合わせ、速度を落として読むことが推奨されます。

参考:初期英語教育における絵本の有効活用――児童の自発的反応を引出す読み聞かせの試み――|松本由美(玉川大学リベラルアーツ学部研究紀要 第8号)

アイコンタクトの実施

視線を丁寧に合わせ、うなずきや表情で子どもの反応を受け止めます。子どもの小さな反応を丁寧にすくい取り、視線を合わせたりうなずいたりして一体感を育むことが、言葉の吸収を促します。

参考:初期英語教育における絵本の有効活用――児童の自発的反応を引出す読み聞かせの試み――|松本由美(玉川大学リベラルアーツ学部研究紀要 第8号)

イラストを指さす読み方

英語の単語と絵の意味が重なるよう、イラストを優しく指し示します。音読しながらイラストを指さしたり、絵の状況を説明する言葉を添えたりすることで、見ているものと聞いている言葉をより深く結び付けられます。

参考:How to teach children English using illustrated storybooks|Gail Ellis(British Council)

音声教材の積極的な活用

音声付き教材や動画配信を上手に併用して、親の読み上げの負担を和らげます。ネイティブスピーカーなどによる読み聞かせ配信サービスやデジタル音声を活用することで、負担を軽減しながら豊かな音に触れる環境を作れます。

参考:オーストラリア・ニュージーランドのブックリストに係る報告書|今田由香(国立国会図書館 国際子ども図書館)

やり取りを育む対話的な読み聞かせの導入

親が読み聞かせて子どもが聞くだけでなく、親子の温かい対話を通じて表現力を伸ばす読み聞かせの方法です。

  • 親子での双方向のやり取り
  • PEER法による会話の循環
  • CROWD法を用いた問いかけ
  • 正解にとらわれない多様な解釈
  • 物語の論理を育む問いかけ

親子での双方向のやり取り

一方的な読み聞かせから、親子で対話をする相互交流の読み方に変えていきます。ダイアロジック・リーディング(対話的な読み聞かせ)は、親が一方的に読み手となる従来の形式ではなく、対話を通して子どもを物語の語り手に変えていく手法です。

参考:How to teach children English using illustrated storybooks|Gail Ellis(British Council)

PEER法による会話の循環

子どもの短い発話を拾い、表現を広げて笑顔で繰り返す循環を作ります。PEER法(促す・評価する・広げる・繰り返す)を用い、子どもの発話に語彙を少し広げて返すフィードバックが、表現の獲得に役立ちます。

参考:The effect of dialogic reading interventions on narrative skills in the preschool period: a systematic review|Suna Özcan(Frontiers)

CROWD法を用いた問いかけ

5つの問いかけパターンを切り替えて、子どもの語彙や思考を促します。CROWD法(穴埋め・想起・自由回答・5W質問・生活との関連付け)という質問技法を使うことで、子どもの理解度に合わせた多様な言葉の産出を引き出せます。

参考:The effect of dialogic reading interventions on narrative skills in the preschool period: a systematic review|Suna Özcan(Frontiers)

正解にとらわれない多様な解釈

子どもの自由なつぶやきや解釈を歓迎し、安心できる対話の場を作ります。絵本を使った学習では唯一の正しい答えを探すのではなく、子どもが絵から感じた多様な解釈を肯定的に受け止めることが大切です。

参考:英語絵本を用いた外国語学習がもたらす学習経験|中山秋桜(大分大学 教育学部)(PDF)

物語の論理を育む問いかけ

登場人物の行動の理由を尋ねることで、論理的に考える力をはぐくみます。物語の因果関係やキャラクターの心情の理由に焦点を当てた問いかけを取り入れることで、深い読解力と論理的な表現力が育ちやすくなります。

参考:The effect of dialogic reading interventions on narrative skills in the preschool period: a systematic review|Suna Özcan(Frontiers)

共働き世帯が英語絵本を無理なく続けるコツ

仕事や家事に忙しい共働きの親が、負担にならずにおうち英語を生活の一部に取り入れるコツです。

  • 1日数分からの短い時間設定
  • 子どもの興味に応じた選書
  • ジェスチャーを交えた会話
  • 間違いを恐れず表現できる環境
  • ごっこ遊びへの発展

1日数分からの短い時間設定

忙しい日常の中に、隙間時間を利用した数分の読み聞かせを習慣づけます。毎日何十分も確保しようとせず、朝の数分や寝る前の数分を定常化して活用することで、無理なく学習環境を築けます。

参考:英語絵本を用いた外国語学習がもたらす学習経験|中山秋桜(大分大学 教育学部)(PDF)

子どもの興味に応じた選書

親が読ませたい本を無理に読ませず、子ども自身の興味や選ぶ姿勢を尊重します。子どもがそれぞれの関心や学習レベルに合わせて絵本を選ぶ姿勢を応援することが、読書そのものへの意欲を保つ助けになります。

参考:オーストラリア・ニュージーランドのブックリストに係る報告書|今田由香(国立国会図書館 国際子ども図書館)

ジェスチャーを交えた会話

身振り手振りなどの動きを交え、親子で体を動かしながら楽しく取り組みます。繰り返しのセリフを言う際にジェスチャーを交えて身体の動きと英語表現を同調させることで、楽しみながら言葉を記憶できます。

参考:小学校英語教育におけるストーリー活動の効果|アレン玉井光江(青山学院大学文学部紀要 第66号)(PDF)

間違いを恐れず表現できる環境

言葉の誤りを細かく指摘せず、自由に英語を口にできる安心感を大切にします。分からない表現があっても推測しながら聞き続ける姿勢や、間違いを恐れず表現しようとする姿勢は、受け入れてもらえる安心できる環境の中で育ちます。

参考:英語絵本を用いた外国語学習がもたらす学習経験|中山秋桜(大分大学 教育学部)(PDF)

ごっこ遊びへの発展

覚えたフレーズを活用し、身近な言葉を使ったごっこ遊びへつなげていきます。絵本で親しんだ表現をもとに簡単な劇遊びをしたり、好きな動物や色に登場人物を変えたお話を考えたりすることで、表現を自然な形で使う喜びを経験できます。

参考:公立小学校における英語コミュニケーション能力育成のためのプロジェクト型言語教育の活用|東野裕子(日本体育大学紀要 49巻)

まとめ

絵本は場面という豊かな手がかりに支えられながら、子どもが言葉を自然に吸収できる身近な教材であり、親の発音の流暢さよりもアイコンタクトや対話を交わす温かい時間そのものに価値があります。お気に入りの1冊を手に取り、間違いを気にせず楽しめるおうち英語の習慣を今日から始めてみましょう。