地震や豪雨で断水や停電が起きると、ごみの収集が滞ったり網戸が壊れたりして、平常時よりも虫が発生しやすい環境になります。避難所では多くの人が同じ空間で過ごすため、蚊やハエ、ゴキブリなどの発生が衛生面の不安や感染症のリスクにつながることもあります。
夏場の避難生活では気温や湿度が高く、虫よけや駆除のグッズの有無でかゆみやストレスの度合いが変わってきます。自宅の備蓄と持ち出し用の装備は用途が異なるため、それぞれに合ったグッズを選んでおくことが大切です。
本記事では、忌避・侵入防止・駆除・応急処置・ごみや排水の衛生管理の観点から虫対策の防災グッズ52選を紹介します。
【虫よけ・忌避グッズ12選】虫対策の防災グッズ
断水や停電が続く避難生活では、虫を体や身の回りに近づけない対策が最初の防御線になります。肌に直接使うものから空間全体に効果を広げるものまで、状況に応じて使い分けられる12点を紹介します。
ディート配合虫よけスプレー
ディート配合虫よけスプレーは、蚊やブヨなどの害虫が持つ感覚器官を混乱させて忌避する効果を持つ、防災グッズの虫対策として広く使われるスプレーです。肌の露出部に直接吹きかけるタイプが多く、効果の持続時間はディート濃度が高いほど長くなり、12%前後の製品で数時間、30%前後の製品ではより長時間効果が続くとされています。
生後6か月未満の乳児には使用を避け、6か月以上の子どもには使用回数や濃度に制限があるため、家族で使う場合は年齢に応じた製品を選ぶことが大切です。避難所や屋外での炊き出しなど、蚊が多い環境で長時間過ごす人に適したグッズです。
参考:ディートを含有する不快害虫用殺虫剤、忌避剤等に関する安全対策について|厚生労働省
イカリジン配合虫よけスプレー
イカリジン配合虫よけスプレーは、蚊やマダニなどの害虫を遠ざける有効成分イカリジンを配合した、肌への刺激が少ないとされる虫よけグッズです。無色透明でにおいが少なく、衣類にも直接使いやすいことから、においに敏感な人や小さな子どものいる家庭で選ばれることが増えています。
効果の持続時間はディート製品よりやや短い傾向がありますが、年齢による使用制限がなく、生後6か月以上であれば使用できる点が特徴です。プラスチック製品にかかると変質する場合があるため、めがねやレインコートなどに使うときは目立たない部分で試してから使うことがすすめられます。避難所で乳幼児や妊娠中の人と一緒に過ごす家庭に適したグッズです。
天然精油虫よけスプレー(ハッカ油配合)
天然精油虫よけスプレーは、ハッカ油やシトロネラなど植物由来の精油を配合し、虫が嫌う香りで忌避効果を狙うグッズです。合成成分に不安がある人でも使いやすく、無水エタノールと精製水にハッカ油を数滴混ぜるだけで手作りできる手軽さも備えています。
ディートやイカリジンに比べて効果の持続時間は短く、1時間から2時間ごとに吹き直す必要があるため、外出時間が長い場合は携帯サイズを常備しておくことがポイントです。香りの強さは好みが分かれるため、避難所など共同生活の場では周囲への配慮も必要になります。天然由来の成分を重視する家庭や、香りでリラックスしたい人にも選ばれるグッズです。
蚊取り線香(渦巻き型)
蚊取り線香は、除虫菊由来の成分を練り込んだ渦巻き型の線香を燃やし、煙とともに広がる成分で蚊を遠ざける昔ながらの防災グッズです。火をつけてから燃え尽きるまでおよそ7時間前後効果が続くため、屋外での炊き出しや夜間の見張り番など、長時間同じ場所で過ごす場面でよく使われます。
燃焼中は先端が高温になるため、専用の陶器製の入れ物に立てて使い、燃えやすいものの近くに置かないことが注意点です。電池や電源が不要なため、停電が長引く状況でも繰り返し使いやすい利点があります。屋外での作業や庭先での片づけなど、風通しのよい場所で虫を遠ざけたい人が選ぶグッズです。
電池式携帯用蚊取り器
電池式携帯用蚊取り器は、薬剤を含んだマットやリキッドを内蔵ヒーターで温め、成分を空間に広げて蚊を遠ざける電子式の防災グッズです。単3形や単4形の乾電池で動くモデルが多く、1つのカートリッジでおよそ12時間前後効果が持続するため、避難所での就寝時にそばに置いておく使い方に適しています。
火を使わないため就寝中でも安全性が高く、煙やにおいが少ない点も蚊取り線香との違いです。電池の消耗が早まる寒い季節には予備の電池を多めに用意しておくと安心です。乳幼児や高齢者と同じ部屋で過ごす家庭など、火気を避けたい人に選ばれています。
虫よけキャンドル(シトロネラ配合)
虫よけキャンドルは、レモンに似た香りを持つシトロネラ精油を練り込んだろうそくで、火をともすと同時に香りで虫を遠ざけるグッズです。屋外での食事や焚き火のそばに置くだけで使え、電源や電池がいらない手軽さを備えています。
1つあたりの燃焼時間は20時間前後の製品が多く、キャンプ用品としても流通しているため、防災用品と兼用しやすい点も選ばれる理由です。屋内の締め切った空間で使うとすすやにおいがこもりやすいため、屋外や風通しのよい場所での使用が基本になります。庭先でのバーベキューや屋外炊き出しなど、開放的な空間で虫を遠ざけたい人に適したグッズです。
虫よけリング・ブレスレット
虫よけリング・ブレスレットは、天然精油やディートなどの忌避成分を染み込ませたシリコン製のバンドを手首や足首につけて使うグッズです。スプレーのように肌に直接薬剤をつけないため、肌の弱い子どもや敏感肌の人でも使いやすい特徴があります。
効果の範囲はバンド周辺の数十センチ程度にとどまるため、屋外で長時間過ごす場合はスプレーやキャンドルと組み合わせて使うと安心です。香りの強さは製品によって差があり、1本でおよそ200時間前後使える長持ちタイプもあります。避難所内を歩き回ることが多い子どもや、両手を自由に使いたい作業中の人に向く選択肢です。
虫よけシール・パッチ
虫よけシール・パッチは、天然精油を染み込ませた小さなシールを衣類やリュックに貼りつけて使う携帯性の高い防災グッズです。肌に直接触れないため、スプレーが使いにくい乳幼児の衣類やベビーカーのフードにも貼りやすい利点があります。
1枚あたりの効果持続時間はおよそ8時間前後で、汗や雨で濡れると効果が落ちやすいため、屋外での長時間行動には複数枚を持ち歩くことがポイントです。粘着面が服地を傷めることがあるため、目立たない場所で試してから使うことがすすめられます。避難所への移動中や外遊びをする子どもの持ち物に忍ばせておきたいグッズです。
防虫ネット付き帽子・フェイスネット
防虫ネット付き帽子・フェイスネットは、帽子のつばから顔全体を覆う細かい網目のネットが垂れ下がった、蚊やハチから顔や首元を守る防災グッズです。折りたたむとポケットサイズになる製品が多く、持ち出しリュックに常備しておいても場所を取りません。
スプレーやキャンドルと違って薬剤を使わないため、においや成分に敏感な人でも使いやすい点が特徴です。視界を確保するため網目は細かすぎないものを選び、あごの下でひもをしっかり結んで固定することが使い方の基本になります。屋外での片づけ作業や、ハチの多い場所を通る避難経路を歩く人に適したグッズです。
衣類・網戸用虫よけスプレー
衣類・網戸用虫よけスプレーは、衣類や網戸、テントの生地などにあらかじめ吹きつけておき、繊維に成分を留めて虫を遠ざけるグッズです。肌に直接使うタイプと異なり、洗濯しても数回分は効果が残る製品が多く、避難所で使うテントや寝袋にまとめて処理しておくと手間が省けます。
素材によっては変色やしみの原因になることがあるため、目立たない部分で試してから全体に使うことが注意点です。1本でおよそ数十着分に使える大容量タイプを選ぶと、家族分をまとめて処理でき経済的に対応できます。テント泊やキャンピングカーでの避難生活で、寝具や衣類ごと虫対策をしたい家庭に適したグッズです。
携帯扇風機型防虫ファン
携帯扇風機型防虫ファンは、薬剤を使わず風の力で蚊やコバエを体に近づけにくくする、電池式や充電式の防災グッズです。首から下げるタイプや卓上に置くタイプがあり、常に風を送り続けることで小さな虫が飛びにくい環境をつくります。羽根のないタイプを選ぶと、小さな子どもが指を挟む心配が少なく、屋外でも安全に持ち歩けます。
薬剤アレルギーのある人や、においに敏感な人でも使いやすい点が特徴です。連続使用時間は充電式で数時間前後の製品が多く、モバイルバッテリーと組み合わせれば避難所でも繰り返し使えます。屋外での食事中や、赤ちゃんのそばで薬剤を使いたくない家庭に選ばれているグッズです。
虫よけジェル・クリーム
虫よけジェル・クリームは、スプレーのように霧状に飛び散らないため、狙った場所にだけ塗布できる肌用の防災グッズです。手のひらに少量を出して顔や首元にむらなく伸ばせるので、風の強い屋外でも吸い込む心配が少なく、小さな子どもに塗ってあげるときにも扱いやすい形状です。
効果の持続時間はおよそ4時間から6時間前後の製品が多く、汗をかいたときはこまめな塗り直しが必要になります。スプレーが使いにくい密閉された避難所の室内でも、周囲に飛び散らせずに使える点が利点です。日焼け止めと重ねて使う機会が多い人や、屋外での家族連れに適したグッズです。
【蚊帳・侵入防止グッズ10選】虫対策の防災グッズ
忌避グッズだけでは防ぎきれない虫の侵入を、物理的な壁で食い止めることも大切な備えです。就寝時に使う蚊帳から住まいのすきまをふさぐ資材まで、侵入経路別に10点を紹介します。
ワンタッチ蚊帳(ポップアップ式)
ワンタッチ蚊帳は、たたまれた状態から広げるだけで数秒で組み立てられる、骨組み入りのポップアップ式防災グッズです。避難所の床に敷いた布団や簡易ベッドの上にそのままかぶせて使え、テントのような支柱を別に立てる手間がかかりません。網目はおよそ1.2ミリ前後の細かさが目安で、蚊だけでなく小さなハエやダニの侵入も防ぎやすくなります。
避難所では良好な生活環境を確保するための備品として、蚊帳のような虫除け用品の準備が呼びかけられています。収納時は専用の丸いケースに折りたためるため、就寝中に虫に刺されやすい子どもや、集団で雑魚寝をする避難所の環境に向いたグッズです。
参考:避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針|内閣府防災担当
天井吊り下げ式蚊帳
天井吊り下げ式蚊帳は、天井のフックや梁からひもでつり下げ、寝床全体を四方から覆う昔ながらの防災グッズです。ポップアップ式より広い範囲を覆えるため、複数人分の布団をまとめて虫から守りたい家庭向けの製品になります。
設置には吊り下げ用のフックやひもを固定する場所が必要になるため、避難所で使う場合はあらかじめ設置できる場所を確認しておくことがポイントです。裾を布団の下に入れ込んでおくと、床を這って侵入する虫も防ぎやすくなります。在宅避難で家族全員の寝室に常設したい家庭や、和室で布団を並べて寝る家庭に適したグッズです。
ベビーカー用蚊帳ネット
ベビーカー用蚊帳ネットは、ベビーカー全体をすっぽりと覆うゴムひも付きの細かい網で、赤ちゃんを蚊やハチから守る防災グッズです。裾のゴムがベビーカーのフレームにしっかりフィットする設計が多く、走行中や風でめくれにくい点が普通の布よりも優れています。
薬剤を使わない物理的な対策のため、生後間もない赤ちゃんにも安心して使える方法です。目の細かさが粗いとハチや体の大きい虫が入り込むことがあるため、網目1ミリ台の製品を選ぶことが選び方の目安になります。避難所への移動中や屋外での授乳時など、赤ちゃんを長時間屋外に置く場面で役立つグッズです。
網戸用補修テープ
網戸用補修テープは、網戸に開いた小さな穴や破れを内側と外側から挟んで塞ぐ、透明で粘着力のある防災グッズです。災害でものが飛んできて網戸に穴が開いた場合でも、はさみで丸く切って貼るだけで数分の作業で補修できます。網目のサイズに近い透明フィルムを使っているため、貼った跡が目立ちにくく、視界を大きく遮らない点も利点です。
強い雨風にさらされる場所では粘着力が弱まることがあるため、月に一度を目安に貼り直しの状態を確認しておくことがすすめられます。停電でエアコンが使えず窓を開けて過ごす時間が増える家庭に役立つ補修グッズです。
網戸用すきまテープ
網戸用すきまテープは、網戸と窓枠の間にできる数ミリのすきまに貼り付けて、虫が入り込む隙間そのものをなくす防災グッズです。スポンジ状やブラシ状の素材が多く、ロール状になったテープをすきまの長さに合わせて切って使います。網戸のレールがゆがんで戸が閉まりきらない古い住宅でも、テープを足すことで隙間を数ミリ単位で調整できる点が便利です。
貼り付け面のほこりや油分を拭き取ってから施工すると、粘着力が長持ちしやすくなります。網戸の建て付けが悪く、すきまから蚊やコバエが入りやすいと感じている家庭に向く対策グッズです。
ドア下用すきま風・虫侵入防止テープ
ドア下用すきま風・虫侵入防止テープは、玄関や勝手口のドア下にできる数センチのすきまに貼り、虫の侵入と同時にすきま風も防ぐ二役の防災グッズです。ブラシ状のモヘアがドアの開閉に合わせてしなるため、床をこすっても摩耗しにくい素材が選ばれています。
裏面は両面テープになっている製品が多く、ドライバーなどの工具を使わずに数分で取りつけられる手軽さが特徴です。ドアの反りが大きい場合は隙間が均一にならないことがあるため、取りつけ前に定規で実際の高さを測っておくと失敗しにくくなります。ごみの搬出や在宅避難で開閉頻度が高くなる勝手口の防虫対策に適したグッズです。
玄関用突っ張り式メッシュスクリーン
玄関用突っ張り式メッシュスクリーンは、玄関の枠に突っ張り棒で固定する網戸状のスクリーンで、扉を開けたまま風を通しつつ虫の侵入を防ぐ防災グッズです。避難所やトイレの出入り口など、常時ドアを開け閉めする場所に設置すると、人の出入りのたびに虫が入り込むことを防ぎやすくなります。
工具や穴あけ加工が不要なため、賃貸住宅や仮設の避難スペースにも設置しやすい点が利点です。突っ張り棒の耐荷重を超えるとずり落ちることがあるため、設置後は上下を軽く押して固定を確認しておくことがすすめられます。夏場に窓や玄関を開け放して換気したい在宅避難の家庭に適したグッズです。
換気扇用防虫フィルター
換気扇用防虫フィルターは、キッチンや浴室の換気扇のカバーに貼りつけ、排気口から侵入するコバエやゴキブリを防ぐ防災グッズです。不織布に細かい網目を重ねた構造が多く、油煙やほこりを吸着するフィルターとしての役割も兼ねています。
目詰まりすると換気の効率が落ちるため、1か月から2か月を目安に新しいものへ交換することが基本の使い方です。停電でごみの収集が滞り、生ごみのにおいで虫が集まりやすくなる時期には、換気扇まわりの防虫がとくに重要になります。集合住宅で共用の排気ダクトを通じて虫が入り込みやすいと感じている家庭に向く対策です。
床下換気口用防虫ネット
床下換気口用防虫ネットは、建物の基礎部分にある床下換気口にかぶせて取りつける金属製やプラスチック製の網で、床下からの虫や小動物の侵入を防ぐ防災グッズです。網目はおよそ4ミリ前後の製品が多く、ムカデやクモといった床下に潜みやすい虫の侵入経路をふさぐ効果が期待できます。
取りつけには換気口のサイズに合う製品を選ぶ必要があり、専用のビスで固定するタイプと、はめ込むだけのタイプがあります。換気口をふさぎすぎると床下の湿気がこもりやすくなるため、通気を妨げない網目の粗さを選ぶことが注意点です。庭付き一戸建てで床下からの虫の侵入に悩んでいる家庭に向く長期的な対策グッズです。
窓用マグネット式防虫ネットシート
窓用マグネット式防虫ネットシートは、磁石の力で窓枠に貼りつき、開け閉めのたびに自然と閉じるカーテン状の防災グッズです。両手がふさがっているときでも網戸のように開閉でき、洗濯物の出し入れや荷物の搬入がしやすい点が普通の網戸との違いです。粘着テープやマジックテープで窓枠に固定するため、賃貸住宅でも取りつけやすく、退去時にはがしやすい製品が多く選ばれています。
強風で大きくあおられるとマグネットが外れることがあるため、風の強い日はしっかり留め具で固定しておくことが必要です。網戸自体が破損した窓や、仮設住宅など網戸が備わっていない住まいの応急的な防虫対策に適したグッズです。
【殺虫・駆除グッズ10選】虫対策の防災グッズ
侵入や忌避の対策をすり抜けて発生してしまった虫には、駆除のためのグッズが必要になります。屋内で使うスプレーから設置型のわなまで、発生した虫の種類に応じて選べる10点を紹介します。
速効性殺虫スプレー(屋内用)
速効性殺虫スプレーは、ゴキブリやハエなどに直接吹きかけると数秒から数十秒で動きを止められる、屋内向けの即効性を重視した防災グッズです。噴射距離が2メートル前後に伸びるロングノズルタイプを選ぶと、虫との距離を保ったまま使えるため慌てずに対応できます。密閉した避難所の室内で使う場合は、噴射後にしばらく窓を開けて換気し、食品や食器にかからないよう覆いをしてから使うことが注意点です。
使い切りタイプと詰め替えタイプがあり、備蓄用には持ち出しやすい小型サイズを複数本用意しておくことがすすめられます。ごみが放置されて虫が発生しやすくなった避難所の共用スペースでも活用できるグッズです。
屋外用殺虫スプレー(ハチ・ムカデ用)
屋外用殺虫スプレーは、通常の殺虫スプレーより噴射距離が長く、4メートルから6メートル前後離れた場所からハチの巣やムカデを駆除できる防災グッズです。ハチに近づかずに噴射できる距離を確保できるため、刺されるリスクを抑えながら対応しやすい点が屋内用との明確な違いです。
倒壊した建物のがれきや、片づけ中の庭木の中にムカデやハチの巣が潜んでいることがあるため、片づけ作業の前に周囲を確認してから使うことがすすめられます。使用後はハチが興奮して周囲に散らばることがあるため、噴射後はその場をすぐに離れることが安全な使い方です。倒木やがれきの撤去作業を行う総務・防災担当者にも備えておいてほしいグッズです。
コバエ取りトラップ(誘引剤タイプ)
コバエ取りトラップは、コバエが好む果実や発酵臭のにおいで誘い込み、専用の容器の中で捕獲する誘引剤タイプの防災グッズです。ふたを開けて水で薄めた誘引液を入れるだけで使えるものが多く、キッチンやごみ置き場の近くに置いておくと数日でコバエの数が減ってきます。
効果の持続期間はおよそ1か月前後の製品が多く、生ごみが増えやすい断水中や収集が滞る時期にはとくに役立ちます。誘引液がこぼれるとかえって虫を呼び寄せることがあるため、容器を安定した平らな場所に置くことが注意点です。三角コーナーや排水口の近くにコバエが集まりやすいと感じている家庭に適したグッズです。
ゴキブリ用毒餌剤(設置型)
ゴキブリ用毒餌剤は、ゴキブリが好む誘引成分と遅効性の殺虫成分を組み合わせた餌を専用の容器に入れて設置する防災グッズです。ゴキブリが餌を巣に持ち帰ることで、直接見ていない場所に潜む個体にも効果が広がる仕組みが特徴です。
スプレーのようにその場で仕留めるタイプではないため、効果が表れるまでにはおおむね1週間から2週間ほどかかります。シンクの下や冷蔵庫の裏など、人目につきにくく暗い場所に複数個設置すると効果が高まりやすくなります。ごみの収集が滞りゴキブリが発生しやすくなった避難生活で、根本的な数を減らしたい家庭や施設に向くグッズです。
粘着シート式ゴキブリトラップ
粘着シート式ゴキブリトラップは、しっかりとした粘着面に誘引剤を塗布した紙製の箱で、通りかかったゴキブリを貼りつけて捕獲する防災グッズです。薬剤を空間に噴射しないため、食品や調理器具の近くでも使いやすく、子どもやペットが誤って触れても比較的安全な点が利点です。
捕獲する数によって発生状況を把握できるため、設置後にどのくらいの数が捕まったかを記録しておくと、被害の規模を確認する手がかりになります。粘着面にほこりがたまると効果が落ちるため、2週間から4週間を目安に新しいものへ交換することがすすめられます。避難所の炊き出しスペースなど、殺虫剤の噴射を避けたい場所に向く駆除グッズです。
電撃殺虫器(据え置き型)
電撃殺虫器は、光で虫をおびき寄せ、内部の電極に触れさせて感電させることで駆除する据え置き型の防災グッズです。薬剤を一切使わないため、食品を扱う場所や小さな子どものいる部屋でも安心して設置できる点が特徴です。夜間に光へ集まる習性のある蛾やコバエに効果を発揮しやすく、就寝スペースから少し離れた場所に置くと虫をそちらへ誘導できます。
電源が必要なため、停電時にはポータブル電源や乾電池式のモデルを組み合わせて使うことが前提になります。企業の休憩室や避難所の食堂など、人が多く集まる屋内空間で殺虫剤を噴射しにくい場所に適したグッズです。
電撃殺虫ラケット(充電式)
電撃殺虫ラケットは、テニスラケットのような形をした網目に高電圧を流し、飛んでいる蚊やハエに軽く触れさせるだけで駆除できる充電式の防災グッズです。USBケーブルで充電できるモデルが多く、フル充電でおよそ数十回から百回程度の使用に耐えるため、電池の消耗を気にせず繰り返し使えます。
スプレーのように薬剤のにおいが残らないため、食事の場や寝室で使っても気になりにくい点が利点です。感電を防ぐ二重構造の網を採用した製品を選ぶと、子どもが誤って触れてもけがをしにくくなります。飛び回る虫を見つけたその場ですぐに対応したい家庭や、屋外での炊き出し中に使いたい人に向くグッズです。
くん煙剤(バルサンタイプ)
くん煙剤は、部屋の中心に置いて発煙させることで殺虫成分を部屋の隅々まで行き渡らせ、隠れている虫をまとめて駆除するバルサンタイプの防災グッズです。使用前には食品や食器、観葉植物を別の部屋へ移し、火災報知器にカバーをかけるなどの準備が必要になります。
使用後は1時間から2時間ほど部屋を閉め切ったのち、窓を開けて十分に換気してから入室することが安全な使い方です。ペットや観賞魚がいる家庭では、退避や水槽のふたを忘れずに行うなど、事前の対策がとくに重要になります。避難後にひさしぶりに帰宅した自宅で、ゴキブリやダニをまとめて駆除したい家庭に適したグッズです。
参考:くん煙・くん蒸剤|日本家庭用殺虫剤工業会
アリ用毒餌剤
アリ用毒餌剤は、アリが好む糖分やたんぱく質に遅効性の殺虫成分を混ぜた餌を、専用の容器や粘着シートに乗せて設置する防災グッズです。働きアリが餌を巣まで運ぶことで、直接見つけられない女王アリや幼虫にまで効果が届く仕組みになっています。
スプレーのように行列を一時的に散らすだけの方法と違い、数日から2週間ほどかけて巣ごと数を減らせる点が特徴です。設置場所はアリの通り道に沿って置くと効果が出やすく、ベランダや玄関まわりなど屋外との境目付近が目安になります。停電でごみや食品の管理が乱れやすい時期に、キッチンや倉庫にアリが増えて困っている家庭や企業の備蓄庫に向くグッズです。
粘着ローラー式虫取りシート
粘着ローラー式虫取りシートは、コロコロと転がして使う粘着ローラーの応用グッズで、床や壁を這う小さな虫やその死骸を絡め取って処理する防災グッズです。殺虫成分を使わないため、薬剤のにおいやアレルギーが気になる人でも安心して使え、掃除の延長のような感覚で扱えます。
粘着力が落ちたら1枚ずつはがして使える構造で、使用後はそのままごみとしてまとめて捨てられるため後片づけが簡単です。虫を積極的に誘引する仕組みはないため、発生源対策や誘引剤タイプのトラップと組み合わせて使うと効果を高めやすくなります。駆除した虫の死骸を素手で触りたくない人や、掃除のついでに片づけたい家庭に向くグッズです。
【虫刺され対策・応急処置グッズ11選】虫対策の防災グッズ
どれだけ対策をしても、避難生活の中で虫に刺されてしまう場面はなくなりません。刺された直後の応急処置からかゆみを抑えるケアまで、症状に応じて使い分けたい11点を紹介します。
かゆみ止め塗り薬(ステロイド配合)
かゆみ止め塗り薬は、刺された部分の炎症とかゆみを抑えるステロイド成分を含んだ、虫刺され対策の基本となる防災グッズです。患部を清潔にしてから少量を指先で薄く塗り広げる使い方が基本で、1日数回まで塗り直せる製品が多く販売されています。
市販の弱めのステロイド成分でも十分な効果が得られる一方、広範囲や顔まわりへの使用は医師や薬剤師に相談することがすすめられています。ステロイドを含まない非ステロイド系のかゆみ止めに比べて即効性が高い一方、長期間の連用は避けることが注意点です。蚊やブヨなど日常的に受けやすい虫刺されの症状を、避難生活の中で早めに落ち着かせたい人に適したグッズです。
抗ヒスタミン成分配合クリーム
抗ヒスタミン成分配合クリームは、かゆみの原因となるヒスタミンの働きを抑えることで、刺された部分のかゆみを和らげる防災グッズです。ステロイドを含まないタイプが多く、顔や首元など皮膚が薄い部分にも使いやすい点が特徴です。
効果の現れ方はステロイド配合の塗り薬よりゆるやかで、塗ってから数十分ほどでかゆみが落ち着いてくることが多いとされています。小さな子どもや妊娠中の人でも使いやすい成分の製品が多く販売されている一方、成分表示を確認して自分に合うものを選ぶことが大切です。かゆみで眠れなくなることを避けたい就寝前のケアとして、家族の常備薬に加えておきたいグッズです。
ポイズンリムーバー
ポイズンリムーバーは、ハチやムカデに刺されたときに、注射器のような仕組みで皮膚から毒液を吸い出す防災グッズです。刺された直後、傷口にカップを押し当てて筒を引くと陰圧がかかり、体内に広がる前の毒液を体外へ吸い出せます。
口で直接吸い出す方法と違い、毒液を誤って飲み込む心配がなく、繰り返し使える点が利点です。刺されてから時間が経つほど毒液は体内に吸収されてしまうため、できるだけ早く使うことが効果を左右するポイントになります。屋外での片づけ作業や、山際の避難経路を通る機会が多い人が持ち歩きたいグッズです。
参考:ハチに刺されたときの応急処置|豊島区
冷却ジェルシート(虫刺され・かゆみ用)
冷却ジェルシートは、患部に貼るとひんやりとした感覚が続き、虫刺されやかゆみを物理的に紛らわせる防災グッズです。清涼感のある成分を含んだジェルがシートに含まれており、貼るだけで冷たさが数時間持続する製品が多く販売されています。
塗り薬のようにべたつかず、衣類にも貼りやすいため、動き回ることが多い子どもの患部の保護にも適しています。粘着面が汗で剥がれやすくなるため、屋外で長時間過ごす場合は予備を多めに持っておくと安心です。かき壊しを防ぎたい就寝時や、外遊びをする子どものかゆみ対策として使いやすいグッズです。
かゆみ止めパッチ(貼るタイプ)
かゆみ止めパッチは、抗ヒスタミン成分を含んだ薄いシートを患部に貼って使う、貼るタイプの防災グッズです。塗り薬と違って手が汚れず、貼った場所がひと目でわかるため、複数箇所を刺されたときの管理がしやすい点が特徴です。
1枚あたりの効果はおよそ6時間から8時間ほど続く製品が多く、就寝前に貼っておけば朝までかゆみを抑えやすくなります。粘着力が弱い肌には貼り直しが必要になることがあるため、汗をかきやすい季節はこまめに状態を確認することがすすめられます。無意識にかき壊してしまいやすい子どもの患部を、物理的に覆って保護したい家庭に向くグッズです。
スティックタイプかゆみ止め
スティックタイプかゆみ止めは、リップクリームのような容器に入ったかゆみ止め成分を、直接患部に塗りつけて使う防災グッズです。指先を使わずに塗れるため、手が汚れている屋外の作業中でも清潔なまま応急処置ができる点が塗り薬との違いです。
冷感成分を含んだ製品ではひんやりとした使用感が数分続き、かゆみをその場で和らげやすくなります。液漏れの心配が少なく、持ち出しリュックのポケットやポーチにそのまま入れて携帯できる手軽さも利点です。屋外での作業や避難所内の移動が多く、こまめに手を洗えない場面でかゆみ止めを使いたい人に適したグッズです。
携帯用消毒液・除菌シート
携帯用消毒液・除菌シートは、虫刺されの患部やかき壊した傷口を清潔に保ち、細菌感染を防ぐための防災グッズです。アルコールタイプは速乾性が高く、傷口の周囲を軽く拭き取るだけで使える手軽さが特徴です。
断水で手洗いができない状況では、かゆみでかき壊した皮膚から雑菌が入りやすくなるため、こまめな消毒が症状の悪化を防ぐ助けになります。刺激の強いアルコールタイプが合わない子どもや敏感肌の人には、低刺激タイプの除菌シートを選ぶことがすすめられます。ポイズンリムーバーの使用前後や、絆創膏を貼る前の下処理としても幅広く活躍するグッズです。
トゲ抜き用先細ピンセット
トゲ抜き用先細ピンセットは、ハチの針が皮膚に残った場合や、細かいとげを取り除く際に使う先端の細い防災グッズです。針の根元をつまんで抜こうとすると毒のうを押してしまい、かえって毒液が体内に広がることがあるため、針の先端側から皮膚に沿うようにそっとつまみ出す使い方が基本になります。金属製で先端がしっかりかみ合う製品を選ぶと、細かい針やとげも滑らずにつかみやすくなります。
使用後はアルコールなどで消毒し、清潔な状態を保っておくことが衛生面での注意点です。屋外での片づけ作業中にハチに刺された場合や、子どもの手に木のとげが刺さったときに役立つグッズです。
使い捨てビニール手袋
使い捨てビニール手袋は、虫刺されの応急処置や消毒を行う際に、素手で傷口や血液に触れないようにするための防災グッズです。塗り薬を塗るときや、ポイズンリムーバーを使うときに装着しておくと、処置をする側とされる側の双方の感染リスクを抑えられます。
薄手のポリエチレン製が主流で、箱から1枚ずつ取り出せるタイプは衛生的に使いやすい点が特徴です。破れやすいため力を入れる作業には向かず、あくまで応急処置用の補助として使うことが基本になります。企業の救護所や避難所の救護スペースで、複数人の処置にあたる担当者が備えておきたいグッズです。
経口抗ヒスタミン薬(市販薬)
経口抗ヒスタミン薬は、飲み薬としてヒスタミンの働きを抑え、体全体に広がるかゆみやじんましんを軽くする市販の防災グッズです。塗り薬でカバーしきれない広範囲の虫刺されや、刺された数が多いときに服用すると、外側からのケアと合わせて症状を和らげやすくなります。
眠くなる成分を含む製品が多いため、日中に活動する場合は非鎮静タイプを選ぶなど、成分表示を確認しておくことが選び方のポイントです。持病がある人や他の薬を服用している人は、服用前に薬剤師へ相談することがすすめられます。避難所で多くの人が同じ環境で過ごし、虫刺されが広範囲に及びやすい時期の常備薬として備えておきたいグッズです。
保冷剤・瞬間冷却パック
保冷剤・瞬間冷却パックは、ハチに刺されて腫れが強く出た患部を冷やし、腫れの広がりやずきずきとした痛みを和らげる防災グッズです。繰り返し使えるジェルタイプの保冷剤は、冷凍庫や保冷バッグで冷やしておけばすぐに使え、瞬間冷却パックは袋を握るだけで化学反応により冷たくなるため電源のない場所でも使えます。冷やしすぎると凍傷のような症状につながるため、タオルで包んでから患部に当て、15分前後を目安に休憩を挟むことが注意点です。
停電で冷蔵庫が使えない状況では、使い切りタイプの瞬間冷却パックを多めに備えておくことがすすめられます。ハチに複数か所刺されて腫れが強く出た人や、子どもの患部を落ち着かせたい保護者に向くグッズです。
【ごみ・排水の防虫グッズ9選】虫対策の防災グッズ
断水でごみの収集や後片づけが滞ると、発生源そのものが増えてコバエやハエが集まりやすくなります。ごみの管理と排水まわりの衛生を保つための9点を紹介します。
防臭・防虫仕様の密閉ポリ袋(多層フィルムタイプ)
防臭・防虫仕様の密閉ポリ袋は、においの分子を通しにくい複数の層を重ねた多層フィルムでできた、においとともに虫を寄せつけにくくする防災グッズです。おむつの処理用として販売されている製品が多く、生ごみや使用済みの衛生用品を入れて口をしっかり結ぶだけで使えます。
一般的なポリ袋に比べてにおい漏れが少なく、ごみの収集が止まっている数日間でも室内ににおいがこもりにくい点が違いです。厚みがある分、通常のごみ袋より価格は高めですが、断水時にコバエの発生源を抑える効果が期待できます。ごみ収集が滞る発災直後の数日間を、自宅や避難所で乗り切りたい家庭に適したグッズです。
生ごみ用消臭・抗菌ごみ袋
生ごみ用消臭・抗菌ごみ袋は、消臭成分や抗菌成分をあらかじめフィルムに練り込んだ、日常使いしやすい防災グッズです。多層フィルムタイプほどの密閉性はないものの、価格が手ごろで大容量のロールタイプが多く、日々の調理くずをこまめに捨てる用途に適しています。
抗菌成分が雑菌の繁殖を抑えることで、生ごみが腐敗するときに発生するにおいの広がりをゆるやかにする仕組みです。厚みが薄い製品は虫や爪で破れやすいため、二重にして使うか、後述する密閉式のごみ箱と組み合わせることがすすめられます。毎日の調理で出る生ごみを、収集再開までこまめに処理したい家庭に向くグッズです。
密閉式ふた付きごみ箱
密閉式ふた付きごみ箱は、パッキンつきのふたでにおいと虫の侵入を遮断する、キッチンや屋外に置く防災グッズです。ペダル式やレバー式でふたを開け閉めできる製品が多く、手を汚さずにごみを捨てられる衛生面の利点もあります。
災害時のごみ処理では、収集が再開するまで各家庭でごみを衛生的に保管することが呼びかけられています。屋外に置くタイプはロック機構つきの製品を選ぶと、カラスや野良猫にふたを開けられる被害も防ぎやすくなります。集合住宅の共用ごみ置き場が使えない期間、自宅内で一時的にごみを保管する必要がある家庭や企業に向くグッズです。
参考:災害廃棄物対策指針について|環境省
排水口用防虫キャップ
排水口用防虫キャップは、キッチンや洗面台、浴室の排水口にかぶせて、下水管を伝って上がってくるコバエやチョウバエの侵入を防ぐ防災グッズです。シリコン製で排水口のふちにぴったりとはまる設計が多く、水を流すときだけ弁が開く仕組みで普段はにおいや虫の侵入経路をふさぎます。
断水で長時間水を流さない状態が続くと、排水トラップの水が蒸発して虫の通り道ができてしまうことがあるため、キャップでふさいでおく対策が有効です。定期的に外して汚れを洗い流さないと、キャップ自体にぬめりがたまることもあるため注意が必要になります。長期間家を留守にする在宅避難や、使用頻度が減った浴室の排水口対策に適したグッズです。
コバエよけ排水口ネット
コバエよけ排水口ネットは、排水口にかぶせる不織布製の使い捨てネットで、生ごみのかすをこし取りながらコバエの発生源を減らす防災グッズです。三角コーナーを使わずにそのまま排水口にかぶせておくと、目に見えるかすをネットごと捨てられるため、シンクを清潔に保ちやすくなります。
ネットの網目が粗いと小さなコバエの卵や幼虫を取り逃すことがあるため、目の細かいタイプを選ぶことが選び方のポイントです。1日から2日を目安にこまめに交換すると、かすが腐敗してにおいが強くなる前に処理できます。断水でシンクを頻繁に洗えない状況でも、排水口まわりを清潔に保ちたい家庭に向くグッズです。
三角コーナー用ふた付きネット
三角コーナー用ふた付きネットは、シンクの三角コーナーにふたをかぶせ、生ごみのにおいと虫の両方を遮断する防災グッズです。ふたがない状態の三角コーナーは生ごみがむき出しになり、コバエが卵を産みつけやすい場所になってしまいます。
ふたつきのネットに交換するだけの簡単な対策で、においの広がりを抑えながら見た目も清潔に保てる点が利点です。素材はプラスチック製とシリコン製があり、シリコン製はにおいがつきにくく繰り返し洗って使える耐久性があります。調理のたびに生ごみが出るキッチンで、こまめな排水口掃除がしにくい断水時にも役立つグッズです。
生ごみ用置き型防虫消臭剤
生ごみ用置き型防虫消臭剤は、ごみ箱や三角コーナーのそばに置くだけで、揮発する成分がにおいを抑えると同時に虫を遠ざける防災グッズです。スプレータイプと違って吹きかける手間がなく、置いておくだけで数週間から1か月ほど効果が持続する製品が多く販売されています。
天然成分を使った製品はキッチンでも使いやすく、食品の近くに置いても比較的安心して使える点が特徴です。効果の範囲は数十センチ程度にとどまるため、広いごみ置き場全体をカバーする場合は複数個を分散して置くことがすすめられます。ごみの管理を任されている企業の総務担当者が、休憩室や給湯室にまとめて備えておきたいグッズです。
ペットボトル用防虫キャップ
ペットボトル用防虫キャップは、飲み残したペットボトルの口にかぶせ、糖分に集まるコバエやアリの侵入を防ぐ小さな防災グッズです。断水時は洗い物を控えて飲みかけの容器をそのまま置いておくことが増えるため、口を覆うだけの手軽な対策として役立ちます。
ストロー穴のついたキャップを選ぶと、ふたを外さずにそのまま飲めるため衛生的に使い続けられます。空になったペットボトルも、糖分が残ったまま放置するとコバエが寄ってくるため、飲み終えたらすぐに軽くすすいでおくことがあわせて大切です。備蓄した飲料をこまめに飲みきれず保管期間が延びやすい家庭や職場に向くグッズです。
密閉保存容器(食品備蓄・生ごみ兼用)
密閉保存容器は、パッキンつきのふたでしっかり密閉できる、備蓄食品の保管と生ごみの一時保管の両方に使える防災グッズです。平常時は乾麺や乾物などのローリングストック用品を虫やにおいから守る保存容器として使い、災害時は洗って生ごみの一時保管用に転用できる兼用性の高さを備えています。
容量は数リットルから10リットル前後まで幅広く、家族の人数や備蓄量に合わせてサイズを選ぶことがポイントです。プラスチック製は軽くて扱いやすい一方、におい移りが気になる場合はガラス製やホーロー製との違いも選び方の比較材料になります。平常時から防災用品として一つの容器を多用途に使いたい家庭や企業の備蓄担当者に適したグッズです。
まとめ
防災グッズの虫対策は、水や食料の備蓄と違って見落とされがちですが、避難生活が長引くほどかゆみやストレス、衛生面の不安が積み重なっていきます。断水でごみの管理が乱れたり、網戸が壊れて虫が入り込みやすくなったりする状況は、地震や水害の後に共通して起こりやすい問題です。
本記事で紹介した52点の防災グッズは、次の表のように役割ごとに整理できます。
| 分類 | 主な役割 | 掲載数 |
|---|---|---|
| 虫よけ・忌避グッズ | 忌避・予防 | 12点 |
| 蚊帳・侵入防止グッズ | 物理的な侵入防止 | 10点 |
| 殺虫・駆除グッズ | 発生した虫の駆除 | 10点 |
| 虫刺され対策・応急処置グッズ | 応急処置・症状緩和 | 11点 |
| ごみ・排水の防虫グッズ | 発生源対策・衛生管理 | 9点 |
備える際は、次の点を確認しておくと優先順位が整理しやすくなります。
- 持ち出しリュックには、虫よけスプレーやかゆみ止め、ポイズンリムーバーなど、屋外で応急的に使えるグッズを中心にまとめておく
- 自宅や避難所の拠点には、蚊帳やごみ箱、駆除用のトラップなど、発生源そのものを管理するグッズを備えておく
- 季節の変わり目や備蓄品の点検のたびに、消費期限や電池の残量、詰め替え用スプレーの残量もあわせて確認する
家庭では自宅と持ち出し用の役割を分けて備え、企業では避難所運営や社内の休憩スペースを想定して数量をまとめて確保しておくことが、虫による健康被害やストレスを減らす備えにつながります。


