絵本を収納するコツは?本棚の配置・並べ方・スペースの作り方を紹介

教育・知育

絵本収納のコツを押さえると、増え続ける絵本によるリビングの散らかりを抑えながら、子どもが自分で片付けられる仕組みを整えやすくなります。忙しい毎日の中でも、片付けの負担を減らし、読書習慣を自然に育てる環境が整います。

本記事では、子どもが自分で片付けやすい絵本収納の工夫、リビングを圧迫しない効率的な本棚の配置、読書意欲を自然に高める絵本の並べ方、居心地の良い絵本スペースの作り方、バラバラなサイズや増え続ける絵本を整理する工夫について紹介します。

子どもが自分で片付けやすい絵本収納の工夫

子どもが自発的に絵本を片付けられる環境を作るには、保育の現場で実践されている収納の工夫が参考になります。次の5つのポイントを紹介します。

  • 低い棚の導入が片付けやすさにつながる
  • 写真やイラストによる表示が目印になる
  • 収納かごの活用で持ち運びやすくなる
  • 引き戸の棚が安全性を高める
  • 子ども自身の意欲を尊重する考え方が土台になる

低い棚の導入が片付けやすさにつながる

高さの低い棚を設置すると、子どもが自分で絵本を出し入れしやすくなり、部屋の圧迫感も抑えられます。保育室の環境構成においては、棚の高さを低く設計することで、子どもが主体的に用具を使いやすくなり、大人が室内全体の様子を把握しやすくなる効果があるとされています。

リビングに置く本棚を選ぶ際は、高さを子どもの目線に合わせる視点を持つと良いでしょう。

参考:保育者養成校における授業改善に関する一考察-遊びの環境についての学生の意識を基に-|姫路日ノ本短期大学

写真やイラストによる表示が目印になる

収納場所に中身の写真やイラストを貼ると、文字が読めない子どもでも直感的に片付けられるようになります。おもちゃの収納ケースにラベルや写真を貼る工夫は、0〜3歳児クラスの保育現場でも取り入れられています。

絵本の棚にも同じ発想を取り入れると、子どもが迷わず元の場所に戻せるようになります。

収納かごの活用で持ち運びやすくなる

子どもが自分で運べるサイズの収納かごを絵本スタンドとして使うと、片付けに対する心理的なハードルが下がります。おもちゃや本の収納箱には子どもの手で持ち運べるサイズのものを採用し、子どもの力で運べるように配慮することが適していると考えられています。

かごを選ぶときは、持ち手の形状や重さも確認すると扱いやすくなります。

参考:保育者養成校における授業改善に関する一考察-遊びの環境についての学生の意識を基に-|姫路日ノ本短期大学

引き戸の棚が安全性を高める

引き戸付きの棚を選ぶと、子どもが扉を開閉する際の指はさみなどの怪我を防ぎやすい点がメリットです。子どもに危険が及ばないよう、引き戸タイプの棚を設置して収納を工夫する方法があります。

子ども部屋やリビングの家具を選ぶ際は、安全性と見た目のすっきりさを両立できるかを確認しましょう。

下の表は、ここまで紹介した収納アイテムの特徴を簡単に整理したものです。

収納アイテム特徴
低い棚子どもの目線に合わせやすく、自分で出し入れしやすい
引き戸付きの棚扉の開閉による怪我を防ぎ、安全性を高めやすい
持ち運べる収納かご子どもの力で運べるため、片付けの心理的負担を軽くする

子ども自身の意欲を尊重する考え方が土台になる

子ども自身の「自分でやりたい」という意欲を尊重した環境を整えると、片付けの自立が促されやすくなります。モンテッソーリ教育の考え方では、子どもが自分で選んだ活動を繰り返し、最後までやり遂げられるよう、発達に合わせた環境構成と大人の適切な援助が重要とされています。

子どもが進んで片付けたくなる環境作りの根本的な考え方として、家庭での関わり方にも取り入れやすい視点です。

リビングを圧迫しない効率的な本棚の配置

リビングは家族が過ごす限られたスペースです。空間を広く見せながら、子どもが本に親しみやすい配置のアイデアを紹介します。

  • 親の目が届く場所への配置が安心感を生む
  • 動線上の壁面を活用すると自然に手が伸びる
  • 回転本棚で省スペースを実現できる
  • 移動式本棚で空間を柔軟に使い分けられる
  • 周囲への家具配置で中央の空間を確保できる

親の目が届く場所への配置が安心感を生む

キッチンから見える場所に絵本や学習スペースを設けると、子どもが安心して本に向き合いやすくなります。母親のいるキッチンから様子が見えるリビングなどの共有スペースに本棚や学習用の机を配置することで、母親の近くにいたいという子どもの気持ちに寄り添い、学習や読書に向かいやすい設計が効果的です。

共働きで忙しい親にとっても、家事をしながら子どもを見守りやすい配置になります。

動線上の壁面を活用すると自然に手が伸びる

階段や通路など、毎日の生活動線に本棚を設けると、子どもが自然と本を手に取る習慣が生まれやすいと考えられます。日常の動線の中で視線を上下に動かす階段は、自然な動作で本を手に取りやすい本棚の設置場所として有効とされています。

リビング以外のデッドスペースも、本棚として活用できる余地があります。

回転本棚で省スペースを実現できる

省スペースな回転本棚を活用すると、リビングの動線を邪魔せずに多くの本をすっきり収納できます。日常的に邪魔にならない共用スペースに、場所を取らない置き型タイプの回転本棚を配置する設計が効果的です。

限られたリビングのスペースを圧迫しない選択肢として検討する価値があります。

移動式本棚で空間を柔軟に使い分けられる

移動式やキャスター付きの本棚を使うと、遊びや部屋の用途に合わせて柔軟に空間を広く使えます。移動式の棚やキャスター付きの収納を活用し、遊びの展開に合わせて部屋の中央に広い空間を確保したり、部屋を柔軟に使い分けたりする工夫が挙げられています。

部屋を散らかさずに保つための、実践的な収納テクニックの一つです。

参考:保育者養成校における授業改善に関する一考察-遊びの環境についての学生の意識を基に-|姫路日ノ本短期大学

周囲への家具配置で中央の空間を確保できる

収納家具を壁際などの部屋の周囲にまとめて配置すると、部屋の中央に子どもがのびのび遊べる空間を確保できます。子どもたちが体を動かして遊べる空間を作るため、収納家具や生活用具は部屋の周囲に配置し、中央に自由な空間を確保する環境構成が有効と考えられています。

生活感を抑えながら、リビングをすっきり広く保つための基本ルールといえます。

参考:保育者養成校における授業改善に関する一考察-遊びの環境についての学生の意識を基に-|姫路日ノ本短期大学

読書意欲を自然に高める絵本の並べ方

絵本は並べ方一つで子どもの興味の引き出し方が変わります。図書館の基本ルールや住宅設計の考え方を応用した並べ方を紹介します。

  • 面出し収納で興味を引き出しやすくなる
  • 書名の五十音順配列で自分から探しやすくなる
  • 著者順の分類で発展的な楽しみ方ができる
  • 左右と上下の配置ルールで見やすさが整う
  • 親子の本の上下配置で憧れが育ちやすくなる

面出し収納で興味を引き出しやすくなる

絵本の表紙を前に向けて飾る面出し収納は、小さな子どもが絵本への興味を持つきっかけになります。小さな子どもが本へ自然に関心を持つよう、本棚に面出しで本を収納する設計が提案されています。

すべてを面出しにする必要はなく、お気に入りの数冊だけを目立たせる方法でも十分効果が期待できます。

書名の五十音順配列で自分から探しやすくなる

絵本をタイトルの五十音順に並べると、子どもが読みたい本を自分で探しやすくなります。低学年の児童が自分で本を探す際、書名の五十音順で配列されていると、読みたい本を自分で見つけ出す喜びを味わいやすく、ひとり読みへの意欲につながるとされています。

家庭でも、絵本の背表紙にタイトルの頭文字を書いたシールを貼るなどして応用できます。

参考:①学校図書館の図書の排架について、学校によって「左から右」と「右から左」とに並べ方が異なります。どち…|レファレンス協同データベース

著者順の分類で発展的な楽しみ方ができる

お気に入りの作家ができた子どもには、著者や画家の五十音順に並べる方法が効果的です。絵本の排列方法として、図書館では画家順も多く採用されており、特定の作家の絵本をまとめて読みたい場合に便利であるとされています。

子どもの成長や興味の広がりに合わせて、五十音順から著者順へ切り替えるのも一つの方法です。

参考:①学校図書館の図書の排架について、学校によって「左から右」と「右から左」とに並べ方が異なります。どち…|レファレンス協同データベース

左右と上下の配置ルールで見やすさが整う

絵本を左から右、そして上から下へと並べると、子どもが視覚的に本を探しやすくなります。図書館における図書の基本的な配架ルールとして、書架ごとに左から右へ、かつ上から下へ並べることが共通の原則とされています。

家庭の本棚でもこの原則を意識するだけで、見た目の印象が整いやすくなります。

参考:①学校図書館の図書の排架について、学校によって「左から右」と「右から左」とに並べ方が異なります。どち…|レファレンス協同データベース

親子の本の上下配置で憧れが育ちやすくなる

本棚の高さによって置く本を分けると、子どもの視線をコントロールし、親への憧れや学びを促す効果が期待できます。本棚の上段には親が読む本、下段には子どもが読む本を分けて配置すると、日常動線の中で子どもが大人との違いを感じ、親の関心事に触れる機会を作るとされています。

大人の本と子どもの本が混ざって散らかる悩みを解消しつつ、知育にもつなげやすい方法です。

参考:保育者養成校における授業改善に関する一考察-遊びの環境についての学生の意識を基に-|姫路日ノ本短期大学

居心地の良い絵本スペースの作り方

子どもが落ち着いて絵本を開くには、静かに過ごせる空間作りが役立ちます。保育の現場で実践されている環境を家庭に取り入れる方法を紹介します。

  • 静と動の空間の区切りが集中を助ける
  • カーペットの敷設でくつろぎやすくなる
  • 明るい窓際への配置で心地よさが生まれる
  • 階段下や押し入れの活用で落ち着ける場所ができる
  • 穏やかな音環境の調整で読書がしやすくなる

静と動の空間の区切りが集中を助ける

賑やかに遊ぶ場所と静かに本を読む場所を棚などで仕切ると、子どもが読書に集中しやすくなります。保育室内を複数のコーナーに分け、読書コーナーや遊びコーナーなど特定の活動を行える空間を設けることが、環境構成の工夫です。

リビングの中に小さな読書コーナーを設けるだけでも、気持ちの切り替えを促すきっかけとして役立ちます。

カーペットの敷設でくつろぎやすくなる

本棚の近くにカーペットやクッションを敷くと、子どもがその場でリラックスして本を読み始めやすい環境になります。絵本コーナーにはリラックスして読めるようにカーペットを敷いたり、クッションを置いて家庭的な雰囲気を作ったりする工夫が有効とされています。

読書を習慣化させるためには、こうした足元の心地よさも大切な要素の一つです。

明るい窓際への配置で心地よさが生まれる

明るい窓際に絵本コーナーを作ると、視覚的に心地よく、自然な光の中で読書を楽しめる空間になります。絵本を見たり読んだりする場所として、窓際の明るい場所が適しているとされています。

部屋の中で絵本コーナーの位置を決める際は、光の入り方も基準の一つにすると良いでしょう。

参考:保育者養成校における授業改善に関する一考察-遊びの環境についての学生の意識を基に-|姫路日ノ本短期大学

階段下や押し入れの活用で落ち着ける場所ができる

押し入れの空きスペースや階段下などに小さな空間を作ると、子どもが誰にも邪魔されず落ち着ける読書スポットになります。押し入れの隠れた空間にマットを敷いて静かに過ごせる居場所を作ったり、階段下に落ち着く空間を設けたりする実践例が、子どもの安心につながるとされています。

限られた間取りでも、工夫次第で子どもの好きな読書基地を作ることができます。

穏やかな音環境の調整で読書がしやすくなる

生活騒音を和らげ、落ち着いた音環境を整えると、子どものイライラを抑えて穏やかな読書時間を作りやすくなります。大人の指示や構造上の騒音を抑え、ゆったりとした生活を送れる音環境を整えることが、子どもの安心感や発達を支える要素とされています。

テレビを消す、静かな時間帯を決めるといった配慮も、読書環境作りの一部になります。

バラバラなサイズや増え続ける絵本を整理する工夫

絵本は形や厚みがバラバラで、放っておくとすぐに増えてしまいます。すっきりと片付いた状態を維持する管理方法を紹介します。

  • 年齢別の絵本選定で本棚が整理しやすくなる
  • 季節ごとの絵本入れ替えで収納量を抑えられる
  • 蔵書数の定数管理で散らかりを防げる
  • 団体貸出の利用で購入数を抑えられる
  • 図書館イベントの参加で選書の質が高まる

年齢別の絵本選定で本棚が整理しやすくなる

子どもの年齢や発達に合った絵本を適切に選び、必要のないものを整理すると、本棚が溢れるのを防ぎやすくなります。乳幼児の発達段階に応じて適切な絵本を整備・選定することが、子どもの絵本への興味を育むうえで大切とされています。

半年に一度など、時期を決めて見直す習慣を作ると管理しやすくなります。

参考:保育園の読書活動支援のための読書環境整備の指標の検討|筑波大学大学院図書館情報メディア研究科

季節ごとの絵本入れ替えで収納量を抑えられる

すべての絵本を常に出しっぱなしにするのではなく、季節やその時の関心に応じて入れ替えると、収納量を抑えられます。子どもの興味や季節に合わせて絵本や図鑑を入れ替えて展示する取り組みが、子どもの興味を刺激し感性を養ううえで有効とされています。

残りの絵本は収納ボックスにまとめてしまっておくと、リビングを圧迫しません。

参考:保育者養成校における授業改善に関する一考察-遊びの環境についての学生の意識を基に-|姫路日ノ本短期大学

蔵書数の定数管理で散らかりを防げる

本棚に収まる適正な蔵書数を決めて管理すると、部屋が散らかるのを根本から防ぎやすくなります。保育園や各施設でも、全体の蔵書冊数や年間購入数を把握・管理し、限られた図書スペースの中に安心して触れ合える量だけを適切に配置する環境整備が重視されています。

「棚がいっぱいになったら1冊手放す」といったルールを決めるのも一つの方法です。

参考:保育園の読書活動支援のための読書環境整備の指標の検討|筑波大学大学院図書館情報メディア研究科

団体貸出の利用で購入数を抑えられる

地域の図書館から一度にたくさんの本を借りて活用する仕組みを利用すると、購入数を抑えつつ多様な絵本に触れられます。公共図書館では、地域の保育園や幼稚園などに対して図書の団体貸出を行っており、多くの施設がこのサービスを利用して絵本を調達しています。

家庭でも団体向けの貸出制度が利用できる場合があるため、最寄りの図書館に確認してみると良いでしょう。

参考:保育園の読書活動支援のための読書環境整備の指標の検討|筑波大学大学院図書館情報メディア研究科

図書館イベントの参加で選書の質が高まる

図書館などが実施する絵本イベントに参加すると、子どもがお気に入りの一冊を見つけるきっかけになり、無駄な選書を防ぎやすくなります。図書館で預かったぬいぐるみが夜の館内で過ごす様子を撮影し、子どもにお気に入りの絵本と一緒に手渡すイベントなどが、子どもの本や図書館への親しみを高める取り組みとして実施されています。

こうしたイベントをきっかけに、子どもが自分で読みたい本を選ぶ経験を積むことができます。

参考:E1127 – 「ぬいぐるみの図書館おとまり会」現場の様子と舞台裏(日本)|国立国会図書館

まとめ

絵本収納の悩みは、単に物をしまう場所として考えるのではなく、子どもの自立や安心感を育む環境の一部として捉えることで解決に近づきます。今日から、低い棚の導入や面出し収納、居心地の良いスペース作りなど、取り入れやすいものから絵本収納を見直してみてください。