SNS疲れは、人間関係疲れと近しいといえます。SNS利用者は約8割にのぼり、そのうちの8割以上が「対人コミュニケーション」を利用目的として挙げています。SNSを利用することに疲れを感じたら、人間関係疲れが原因として考えられます。
また、キラキラした物事を見ることに対する心理的な疲弊や、自己肯定感の低下なども原因として挙げられます。
本記事では、SNS疲れの概要、原因、具体的な対処法20選を紹介します。
SNS疲れとは
SNS疲れは、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を利用することで、身体的・精神的な疲れが蓄積した状態を指します。
現代社会においてSNSは生活の一部となっており、無意識のうちの継続することに対して疲弊している人が少なくありません。自身が発信し続けること、他者の投稿に対して反応することなどを重ねていくうちに、義務に近い感覚となり、疲弊していく可能性があります。
SNSの利用状況・利用目的
総務省が調査し、公開している資料「令和4年通信利用動向調査 ポイント」によると、6~12歳を含む全体の80.0%がSNSを利用していることが明らかにされています。
また、同資料によると、全体の88.6%がSNSの利用目的として「従来からの知人とのコミュニケーションのため」を選択しており、SNSを利用することによって必然的に人間関係疲れが蓄積される可能性が示唆されます。つまり、SNS疲れは、人間関係疲れと近しいものであると考えられるでしょう。
なお、同資料によると、SNSの利用目的は「知りたいことについて情報を探すため」が64.5%、「暇つぶしのため」が33.4%、「災害発生時の情報収集・発信のため」が24.9%の順に多くなっています。
SNS疲れの原因
SNS疲れが蓄積する原因はさまざまです。まずは原因を知り、適切な対象法を実践することが大切です。
以下で詳しく紹介します。
他人の生活とのギャップ
SNSには、多種多様な第三者の「ハイライト」が投稿されています。読み手から反響が得られやすいキラキラした写真や動画、テキストなどが投稿されており、自分の生活とのギャップが感じられ、自己肯定感の低下や過度な羨望につながり、疲弊する場合があります。
いいね・コメントなどの反応疲れ
SNSへの投稿に対する反応を過度に気にする承認欲求も原因の1つとなります。得られる反応が少ないと自分の価値が低いと錯覚したり、より良い投稿をしなければならないとプレッシャーを感じたりする可能性があります。また、友人や知人の投稿に対していいね・コメントなどの反応をしなければならない状況により、疲れが蓄積されている場合もあります。
取り残される恐怖がある
新しい情報や、周囲の行動から取り残され、置いてけぼりになる恐怖のことを「FOMO(Fear of Missing Outの略)」といいます。FOMOを感じていると、SNSで情報を見落とすことを避けるため、SNS依存が深まり、SNS疲れにつながる可能性があります。
誹謗中傷を目撃する
自分が攻撃対象とされていなくても、友人・知人や自分が関心を持っている人が心無い他者から誹謗中傷を受けていると、ストレスを感じる可能性があります。SNSでは有名人・著名人ほど誹謗中傷の対象になりやすく、SNS利用者の目に留まりやすいため注意が必要です。
情報過多により頭が疲れている
テキスト型SNSに限らず、SNSには大量の情報が溢れており、処理するために頭が疲れていきます。また、デジタル機器を使用することで脳が疲れている可能性もあります。
オンとオフの切り替えができない
SNSでリアルの友人・知人とつながっていると、オンとオフの切り替えができなくなる場合があります。SNSをオフの楽しみにしたい人にとってはストレスになりやすく、注意が必要です。
SNS疲れの対処法20選
SNS疲れを解消するには、「SNSをやめる」という選択肢が適切かというと、そうとは限りません。SNS疲れが溜まる一方で、SNSを通じて楽しさや、やりがいなどが感じられており、SNSを断つことにより新たなストレスにつながる場合もあります。
以下では、SNS疲れへの対処法20選を紹介します。
SNSの通知をオフにする
SNSの通知をオフにすることで、「見たいときに見る」という前提を構築できます。SNSの通知がオンになっていると、意思によらずSNSに関する情報が入ってきて、圧迫感や強迫観念の要因となります。SNSに対して自身が主導権を持てる状態にすることで、SNS疲れが軽減されるでしょう。
スマホのおやすみモードを活用する
夜間にSNSに没頭しやすく、質の良い睡眠が取れていない場合には、スマホのおやすみモードを活用することが効果的です。おやすみモードを活用することで夜間の通知音をなくし、一時的にSNSから離れやすい環境作りにつながります。
スクリーンタイムを活用する
スクリーンタイムとは、スマホの利用時間・使用したアプリの確認や、利用制限をすることができる機能です。SNSを利用する時間に制限をかけることで、自身のSNS利用量をコントロールすることができます。
物理的にスマホを遠ざける
別の部屋にスマホを置いて寝る、食事中はカバンに入れるなど、物理的な距離を置くことで、SNS離れを促進させられます。少しずつ遠ざけるようにすることで、過度なストレスをかけずにSNSと距離を取れることが特徴です。
フォロー中のアカウントを整理する
目に留まることでストレスにつながっているアカウントを整理し、フォローを解除することで、ストレスが軽減されます。SNS利用時には、フォローしている人とつながります。ストレスの原因となるアカウントとのつながりを断つことで、SNS疲れを解消できる可能性があります。
非表示・ミュート機能を活用する
リアルの友人や知人など、フォローを解除すると角が立つ場合は、非表示・ミュート機能を活用するとよいでしょう。SNS疲れを軽減させるには、ストレスの原因となり得る投稿が目に入らないようにすることが大切です。
検索画面(おすすめタブ)を見ないようにする
SNSのアルゴリズムは、ユーザーを長く滞在させるように設計されています。意図しない情報に触れすぎないよう、自分のフォローしている範囲内だけで完結させましょう。
デジタルデトックスを取り入れる
週末の1~2日や平日の数時間など、デジタル機器を使用しない日や時間帯を設けることをデジタルデトックスといいます。デジタル機器を断つことで必然的にSNSから解放される日や時間帯が作られ、SNSを休むことができます。
考えないためのルールを設定する
SNSを利用する際に、義務感や圧迫感を持つとSNS疲れにつながる場合があります。また、興味のない投稿に反応することにストレスを感じることもあるでしょう。そのような場合は、考えないためのルールを設定し、SNSで他者に反応する際に何も感じないようにすることが重要です。
たとえば、「見たらすべていいねを押す」、「知人・友人には全員にいいねを押す」のように、定型化することで、精神的なストレスが生じないようにすることができます。また、「いいねを押さない」というルールもOKです。
SNS以外の趣味を見つける
SNSが趣味となり、過度に接点を持ちすぎている場合は、その他の趣味を見つけるのもよいでしょう。気分転換や心身の健康には運動が良いとされています。
SNS利用時は電子機器の使用・同じ姿勢で居続けることになり、心身が疲れやすい状態となる場合があります。スポーツやフィットネスなどの体を動かせる趣味を見つけ、生活のバランスを整えることで、SNS疲れが緩和されるでしょう。
睡眠の質を向上させる
厚生労働省が公開している資料「良い睡眠のために」によると、各世代で共通して夜間にスマホを使用しないことが推奨されています。睡眠の質が低下していると、寝ても疲れが取れず、疲労が蓄積される場合があります。夜間のスマホ利用を避け、睡眠の質を向上させましょう。
SNSの投稿数を減らす
「毎日投稿」、「思いついたらすぐに投稿」など、SNSを休みにくい習慣が身に付いていると、SNS疲れが蓄積しやすくなっている可能性があります。投稿する頻度を低くして、休息を含めて習慣化することで、SNS疲れが緩和されるでしょう。
即レスをやめる
他者の投稿が目に入った際に即レスをする習慣が身に付いていると、反応数が多くなります。時間を置いて不要な反応を減らすことで、SNS疲れの緩和が期待できます。また、すべてのコメントに対して返信することが習慣化されている場合は、基本的には返信しない形にスタンスを変更することも大切です。
ストレスケアを取り入れる
SNSによるストレスが蓄積されている場合は、ストレスケアを講じることが重要です。厚生労働省が運営しているWebサイト「こころの耳」が公開している資料「早く気づけるストレスケア」によると、「好きなことを楽しむこと」、「自然と触れ合うこと」、「身近な人に相談する・愚痴を言うこと」、「リラクゼーション法を取り入れること」、「専門家に相談すること」が推奨されています。
SNSアプリをホーム画面の1つ目から移動する
スマホのホーム画面の目立つ位置からSNSアプリのアイコンを移動することで、目につく頻度が低くなり、SNS疲れが緩和する可能性があります。ホーム画面の2つ目や3つ目に移動しましょう。
ブラウザ版のSNSを利用する
ブラウザ版はスマホのSNSアプリよりも少し手間がかかるため、利便性が下がります。アプリを削除し、SNSとの距離を少し遠ざけることで、SNS利用によるストレスを軽減することにつながります。
SNSに対する不満を書き出す
SNS疲れを緩和するには、SNSの何が自身のストレスになるのかを知る必要があります。SNSの嫌いなところ・苦手なところを書き出し、自己理解を深めることで、SNS疲れにつながる根本的な原因を知り、緩和させることができます。
未読のまま放置する習慣を身につける
コミュニケーションに重点を置いたSNSでは、未読の投稿や通知が溜まることがストレスになり、頻繁に見過ぎてしまう場合があります。そのような場合には、未読のまま放置する習慣を身につけ、SNSから離れて休息を取れるようにすることが重要です。
SNSを記録用と割り切って利用する
SNSには、情報収集や、備忘録としての記録など、さまざまな用途があります。他者と交流することにストレスがあり、SNS疲れにつながっている場合には、情報収集用や記録用として利用するスタンスに変更することで緩和されることが期待できます。
SNSを断つ
SNS疲れが深刻化している場合は、緊急的な対処として、SNSを完全に断つ必要がある可能性があります。SNS疲れにより心身の健康が害されている場合は、SNSから離れましょう。健康な状態になるまでリフレッシュし、健全にSNSを利用できるようになれば、再度利用することもできます。無理をしないことが大切です。
まとめ
原因を知り、対処法を実践することで、SNS疲れを緩和させられます。SNS疲れが溜まっている場合は、SNSの利用方法や距離感を見直し、「疲れないようにすること」、「疲れをリフレッシュするようにすること」を心がけましょう。


